金沢城は平成8年度に都市公園として利用されることが決定されました。

 「全国都市緑化いしかわフェア」や「加賀百万石博」の開催にむけて、会場である金沢城公園は公園整備が進められました。本丸園地をはじめ点在する小さな森林は残されていますが、下草の除去、芝地の造成、園芸種の移植により、環境は変化しています。
隙間なく敷き詰められたシャガ。
野草が生えないように地面を覆っている様子が感じられる。
広場に敷かれた芝生。
単調な空間は、限られた種類の生物しか利用できない。

もともと庭園として管理されていたため、植栽されたものや外来種も多くみられます。
金沢城公園の自然は長いあいだ大学の植物園として維持されてきました。
そのことによって、台地から隔離された金沢城公園に、地域の自然がとりもどされてきたようです。


これからも都市の中に、豊かな自然環境が残されることを願います。
金沢城公園の森林は、「地域植物園・自然園」としての機能をもっています。

ケヤキやモミ、タブノキ、老齢のスダジイ、また林床には山野草が数多く見られます。山でみられる四季折々の植物が自生しています。 林があることで数多くの野鳥が飛来します。美しい歌声のコマドリ、クロツグミやオオルリも飛来します。

身近にある豊かな自然環境が失われている現在、
野生生物が数多く生息している金沢城公園は貴重な保全型のビオトープです。

「全国都市緑化いしかわフェア」にむけて完成された’庭ゾーン’。たくさんの木や草花が植栽され新しい環境が生まれた。 写真の白い部分はシャク(セリ科の植物)の花。群落を作るセリが春に花を咲かせます。
道端に勝手に生えますが、セリの自生地にほとんどシャガが植えられたため、来年はむずかしいかも・・??



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