2009カレンダー「鳥が脇役・河北潟」

1月から6月までの上半期と7月から12月までの下半期に分けた両面使用で、書き込み可能なスケジュール帳となっています。壁掛け用としても携帯用としてもご使用いただけます。

各月の写真と解説の見本

表紙 【春・田植え後の水田】
 田植えの終わったばかりの水田の畦にオオソリハシシギとキアシシギが立っています。干拓後の河北潟地域は、周辺に田んぼが拡がり、中心に位置する干拓地は大部分が畑でした。最近は、干拓地の中に水田が増えましたが、周辺の田んぼは、徐々に外側から住宅地や商業地に変わりつつあります。残った水田は、かつて河北潟周辺に広く存在した湿地の代償環境として重要です。(撮影 中川富男)
裏表紙 【冬・雪の休耕田】
 夜明け前の休耕田で、コハクチョウが雪の下から餌をとっています。首を立てた姿の方が写真としての見栄えは良いのですが、実は撮影者に警戒していたり、不安で辺りを見回している姿勢です。餌付けされていない河北潟のハクチョウは、人に馴れていません。泥の中から餌をとるため首が茶色に汚れているので、他の場所へ移っても河北潟のハクチョウだとわかるそうです。(撮影 野村卓之)
1月 冬晴れの夕方、内灘砂丘から湖面越しにみる北アルプスには新雪が積もっています。トビは猛禽類、タカやワシの仲間です。多くの猛禽類が生きた獲物を捕獲するのに対して、トビは死骸や小さな虫を拾って食べます。翼の大きさに比べて軽く、わずかの上昇気流でも飛ぶことができ、ゆっくりと移動しながら餌を探すのに適しています。(撮影 高橋 久)
2月 ノスリは干拓地の冬の住人です。毎年20〜40羽が越冬します。ノスリが木に止まっているときは、餌を探しています。河北潟ではネズミ類がおもな餌です。1羽のノスリが毎日1匹のネズミを食べるとすると、一冬に1万匹以上のネズミが捕らえられることになります。農業害獣の天敵として、干拓地農業と関係が深い鳥です。(撮影 野村卓之)
3月 干拓地の畑にときどき降り立ち、餌をとっては元の枝に戻ります。しばらくみていると、わりと頻繁に餌をとっているのがわかります。モズの餌は昆虫やカエル、トカゲなど。捕らえた獲物を木の枝に刺す(早贄)ことも知られています。冬のこの時期の地面に一体どんな餌がいるのか、双眼鏡で覗いても餌の種類まではわかりません。(撮影 高橋 久)
4月 畦のハマダイコンに止まっているのはコジュリンです。渡りの途中、河北潟に立ち寄ったものと思われます。すでに夏羽に換わり、頭部は黒くなっています。ヨシ原沿いに移動して北に向かいます。河北潟は、湖岸にヨシ原が多い湖のひとつですが、場所によっては衰退の傾向がみられます。地盤沈下や供給土砂の減少が関係しているようです。(撮影 中川富男)
5月 水田の畦にユリカモメが並んでいます。夏羽に換わり頭部が黒くなっています。よくみると頭が白いものも混ざっています。近年、都市部に多くなり、金沢の市街地でも確認できます。以前、犀川の調査をしていた時に、毎日決まった時間に上流に向かうユリカモメの群れがいました。川を上って調べてみるとトビと一緒に餌付けされていました。(撮影 中川富男)
6月 コチドリは、河北潟の圃場で繁殖します。農道や畑、休耕地を上手に利用して卵を孵し、雛を育てます。周囲の環境にとけ込んでいるので、なかなか気が付きませんが、案外身近な鳥です。巣はくぼみに小石を敷きつめただけの簡単なもの、卵も目立たず、足下にあってもすぐには気が付きません。でも親鳥は威嚇の声を盛んに発しています。(撮影 野村卓之)
7月 河北潟干拓地では、6月に麦を収穫したあとに大豆を撒きます。夏の干拓地には緑の大豆畑が広がります。大豆の有機農業に取り組んでいる農家もいます。外来雑草の被害も大きく、簡単なことではないと聞いています。畑作が運命づけられた干拓地において、農家の苦労と努力の結果つくられてきた美しい夏の風景です。(撮影 高橋 久)
8月 夏から秋にかけて河北潟のヨシ原はツバメのねぐらになります。日暮れ30分くらい前から徐々に集まりだし、日没頃にはねぐらの上空を埋め尽くす、数千から数万羽のツバメをみることができます。薄暗い中を高速で飛び回るツバメの群れを写真に収めるのは難しく、この写真は日没前にヨシ原上空を通過するツバメの姿を撮っています。(撮影 高橋 久)
9月 稲刈りをしているところにチュウサギが集まっています。人との距離が近いのがわかります。この田んぼにはたくさんのカエルがいたのですが、稲が刈られたため慌てて残った稲のなかに逃げこみます。チュウサギにとっては格好の餌場です。人の姿は気になりますが、まずは餌の確保が優先します。微妙なチュウサギの立ち位置です。(撮影 中川富男)
10月 気持ちの良い秋晴れの湖岸です。ヨシ原の中から姿を現したカイツブリ。愛嬌のある小さな水鳥です。その奥にはカンムリカイツブリがみえます。冬鳥が大挙して飛来する前の静かさを堪能しているようです。ヨシ原はカイツブリの隠れ家です。湖面に食事に出かけます。盛んに潜って採餌を試みますが、なかなかうまく捕れないようです。(撮影 高橋 久)
11月 カモ類が湖面で休息しています。河北潟には例年、マガモ、コガモ、ヒドリガモが数千羽単位で飛来し、その他のカモ類を合わせると1万羽以上のカモ類が越冬しています。石川県内では飛び抜けて飛来数の多い地区です。夕暮れ時、そろそろ活動開始の時間です。思い思いの方向に餌を求めて飛び立ちます。(撮影 熊倉雅彦)

12月 中央に写っているのはタゲリです。その後ろの田んぼには、ミヤマガラスが分散して餌をとっています。群れで行動しますが、餌を採っている姿からは、それぞれ独立して気ままに振る舞っているようにも見えます。河北潟ではここ数年、急に増えてきた冬鳥です。今では千羽以上が確認されることもあります。(撮影 高橋 久)

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