2010カレンダー「浄める光・甦れ河北潟」

1月から6月までの上半期と7月から12月までの下半期に分けた両面使用で、書き込み可能なスケジュール帳となっています。壁掛け用としても携帯用としてもご使用いただけます。

各月の写真と解説の見本

表紙 【湖岸の名残・西部承水路】
 西部承水路は、河北潟の西の湖岸の名残です。現在の河北潟は、そのほとんどが人工護岸となっていますが、西部承水路のいちばん上流側には、護岸されていない湖岸が一部ですが残っています。ヨシやマコモ、ヒメガマなどの抽水植物が拡がる岸縁は、懐かしい河北潟の面影を感じます。河北潟の再生を考える原点となる風景が残っています。(撮影 野村卓之)
裏表紙 【光の中のハジロカイツブリ】
 河北潟には冬にやってくる渡り鳥です。鳩ぐらいの大きさで、真っ赤な目が特徴的です。潜水して小魚を捕らえます。柔らかい光の中、初冬の河北潟の水面を、気持ちよさそうに移動しています。冬鳥や夏鳥、時折みられる大陸からの珍鳥、そうした外からやって来る命も、河北潟を甦らせるつながりのひとつです。(撮影 白井伸和)
1月 夜明け前。闇の中から河北潟の水面と干拓地、その奥にある町並み、さらに遠くの幾重もの山稜を、仄かな光が浮かび上がらせます。河北潟の一日の始まりは静かです。やがて北アルプスの向こうから太陽が昇ってきます。鳥たちが飛び立ちます。自動車の行き交う音が聞こえてきます。違う情景の中で毎日繰り返されている自然と人の営みです。(撮影 高橋 久)
2月 冬の干拓地の一瞬の情景。ふと湖が甦ったのではないかと錯覚に陥ります。雪解け水が干拓地の畑全体に拡がっています。夕日に照らされて、雪解けの水際が砂浜のようにもみえます。河北潟干拓地はやはり湖底だったんだということを再確認します。時間を遡り干拓前の湖岸に佇んでいるような気持ちのまま、やがて日が沈みます。(撮影 高橋 久)
3月 牧草地に入り込んだ菜の花が、早くも花を咲かせています。早春のさわやかな日差しの中、緑と黄色のみごとなコントラストが河北潟干拓地を彩ります。この菜の花ですが、干拓地農業にとってはちょっと厄介者のようです。小麦の収穫へ影響するという話や、ミツバチなどの果樹の訪花昆虫が奪われてしまうという声もあります。(撮影 野村卓之)
4月 春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。清少納言のみた春の夜明けはどんなものだったのでしょうか。かつて河北潟の周りには鬱蒼とした沼地が拡がっていたようです。内灘砂丘から、陸地に変わった干拓地越しにみる夜明けの山並みは、持続可能な未来を示しているのでしょうか。(撮影 熊倉雅彦)
5月 砂丘のハマダイコンのお花畑と、雪を湛えた犀川源流の山々が、明るい日の光に白く浮かび上がっています。湖と山裾の柔らかな青色とがお互いに引き立てあう構図となっています。干拓地では菜の花と同じような問題も懸念されるハマダイコンですが、放棄された畑の中で美しく咲いています。この場所も今では整地されてしまいました。(撮影 熊倉雅彦)
6月 蓮が伸び盛りです。雨上がりの光を受けて瑞々しい葉の色合いをみせています。やがて夏を迎え、白い花を咲かせます。蓮の花からは浄土をイメージしますが、蓮の葉と茎からは生命力を感じます。いずれも泥の中の栄養分を蓄える太い根茎から伸びてくるものです。私たちはその根茎をいただきます。潟の泥と人とをつないでいる植物です。(撮影 野村卓之)
7月 河北潟の湖面に夕日が映し出されるころ、日差しはだいぶ柔らかくなります。猛暑の季節のほっとする時間帯です。湖岸のヒメガマがさざ波に揺れています。写真は才田の森本川河口付近ですが、ヒメガマ群落は沖の方まで延びていて、この辺りが浅瀬であることがわかります。川が運ぶ砂が湖岸の植生を育みます。(撮影 高橋 久)
8月 近年の河北潟干拓地の夏の風景としてすっかり定着した大豆畑。真夏の太陽を浴びて青々と茂っています。干拓地の畑の地強さを感じます。大豆の品種はエンレイ、フクユタカなど。食用油をとる品種と違って、甘みのあるおいしい豆腐になります。大豆は河北潟干拓地の全国に誇るべき農産物の一つになっています。(撮影 熊倉雅彦)
9月 午後の光を受けて、キンエノコロの穂が光っています。光にあふれる休耕地の風景です。河北潟には農業にとってのやっかいな雑草が多く、時に旺盛に繁茂して農家を困らせますが、道草する風来坊の心をとらえる美しい群落をつくったりします。雑草の畑の中には、その種子を求めて小鳥や獣が潜んでいるかもしれません。(撮影高橋 久)
10月 大豆の収穫が終わり、干拓地には麦畑が拡がっています。秋が深まるにつれ、日差しもだんだん弱くなってきます。干拓地を包む光は柔らかな緑に変わります。越冬するノスリたちがやってきます。小麦畑何枚分かの縄張りを見渡して、ハタネズミが現れるのを狙います。冬の間、畑の生態系のバランスを保つ役割を担っています。(撮影 高橋 久)
11月 朝の光を浴びて東部承水路のカモ類が休息しています。夜の間餌を求めて活動していたものが休息のため戻ってきたのか、あまり動きはありません。多くのカモ類は、冬の間に力を蓄えて繁殖地へと移動します。安心できる休息地が必要です。河北潟は県内で一番のカモ類の越冬地です。静かな湖面があることが鳥たちには大切です。(撮影 白井伸和)

12月 少し雪が積もりました。最近の雪はすぐに融けてしまいますが、干拓地の牧草地や小麦畑には雪が残りやすく、緑の中にちぎれ雲のように見えています。畑の向こうには宝達山が見えます。本来ここは水底でした。干拓前は、湖の向こうに見えた景色でした。この緑の景色が、将来の可能性につながるものであってほしいと願います。(撮影 高橋 久)

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