河北潟周辺の宅地造成と圃場整備(生物委員会・高橋 久)

 河北潟周辺の農地は急速に宅地化が進んでいます。大規模な団地造成も進められています。野生生物は河北潟へと追いやられています。 河北潟干拓地は、比較的規模の大きい野生生物の生息環境として、金沢市周辺では最後に残された場所になってきました。

金沢市木越地区に造成された瑞木団地。かなり大規模な造成をおこなった。以前はケリなどが営巣していた。(写真は造成中の状態)
ここでは、比較的大きな親水空間が造成されている。人工的な要素も大いに含まれるので野鳥などの一部の野生生物の定着は簡単には進まないだろう。
津幡町川尻地区に造成中の「井上の荘」住宅地。ここも大規模な開発がおこなわれた。このあたりは冬にはコハクチョウが訪れていた環境であった。今は少し離れいたところを餌場としている。
ここでも水辺ビオトープが造成されているが、人工的な水辺空間の印象は拭えない。造成して間もないこともあり、まだ生物群集は貧弱である(写真は2000年1月のもの)。

 

 また、河北潟の周辺の多くは水田ですが、その様子は年々変化してます。最近ではいくつかの地点で大規模な圃場の改修が進められています。
 宅地化と圃場整備により河北潟周辺の環境は大きく変化しつつあります。

河北潟周辺の土地は年々地盤が沈下しています。河北潟北西部の水田は造成から年月がたったこともあり、嵩上げ乾田化のための圃場整備が現在行われています。
河北潟南東部の水田では、周辺の宅地に伴い、排水機能を向上させる必要性から、農業用の排水路の拡張工事がおこなわれています。

2000年2月配信

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