第16回河北潟自然観察会開催される
  
−マガンの群れを観察、宇ノ気川と東部承水路も調査−

 第16回河北潟自然観察会がさる2月4日(日)に開催されました。薄曇りの程良い日の光に恵まれ野鳥観察には絶好の天候でした。干拓地内にはまだ雪が残り、雪の上を歩くキジの姿が目立ちました。また、観察中にマガン約200羽の群れが、南の方よりやってきて、河北潟の東方の水田に降り立ちました。

河北潟は冬鳥の宝庫。全員で野鳥観察をおこないました。

 観察会の中で、宇ノ気川と東部承水路の重油の回収状況について確認するために、宇ノ気川河口付近と東部承水路を訪れました。宇ノ気川河口の少し手前の橋の下には、まだオイルフェンスが張られていました。水面にかすかに油膜が確認されましたが、流れ着いている重油はありませんでした。また東部承水路には回収作業に使われたボートや作業の足場が組まれていましたが、重油は、ほとんど確認されませんでした。少なくとも宇ノ気川が流れ込む東部承水路上流付近では丁寧に回収作業がおこなわれ、ほとんどの水面に浮かぶ重油は回収された印象がもたれました。水辺ではへらブナ釣りをしている人もみられました。いつもの河北潟の風景が戻りつつあります。

 
宇ノ気川河口にはオイルフェンスが張られているものの、重油は確認されなかった。   東部承水路の北部にも油膜や油のにおいはなく、静かな風景が戻りつつあった。

 なお、今回の観察会の中で、ハマシギと思われる油まみれの野鳥の死体が見つかりました。小規模ながら野鳥への被害があったことがうかがえました。河北潟湖沼研究所生物委員会では今後も調査をおこない、今回の重油流出の野生生物への影響の程度を把握するようにしていきたいと考えています。

ハマシギと思われる油まみれの野鳥の死体が1個体確認された。