馬事公苑裏の水辺がいい感じです
  
−湖岸に掘った溝にアサザが咲いています−

 現在、河北潟では、沈下した護岸堤防の改修工事がおこなわれていますが、金沢市八田地区の馬事公苑裏手にあたる湖岸は、以前におこなわれた護岸工事の後に堆積した土砂の上にヨシ原が形成され、広い高茎草本の湿地になっています。この付近の工事の際に、工事主体である金沢農林事務所(現:県央農林)の発案で、堤防に近い分を一部溝状に彫り込み、近くの血の川でおこなわれていた浚渫工事の際に発生した浚渫土を散布しました。それから約6ヶ月後の現在では、この場所でアサザの花が咲いています。
 血の川の底泥中に含まれていたアサザの株が発芽したものと思われます。当初は、さまざまな埋土種子の発芽を期待していたのですが、河北潟で希少となっている水草のうちでは、今のところアサザが一番先に繁茂しました。
 幅3m長さ16mほどの小さな水辺ですが、ヨシ原の中に隠れるようにできたクリークは、メダカが泳いでいたり、イトトンボが産卵に来るなどの、小動物の小さなビオトープとして「いい感じ」の水辺になっています。
 今後、定期的にこの場所の遷移を調べ、河北潟の湖岸再生のための基礎データを得たいと思っています。(高橋 久)

 
ヨシ原の中にできたクリークは、環境に変化を与え、小動物や水草にはいい感じのビオトープになっています。   アサザの花も、1数個確認されました。

 (配信日:2004年6月7日)