「環境省いきづく湖沼ふれあい事業−自然豊かな水辺を残そう!水生植物保全プロジェクト」第3回目の報告

 環境省の委託を受けて実施している水生植物保全プロジェクトの3回目の活動内容を報告します。
 水辺にはびこる草をとることは非常に困難なことですが、活動を2回3回と進めていくなかで、道具が改良されたり、より効率よく作業しようと意見が交わされたり、また参加者全員の動きがどんどんと機敏になっています。今回とりのぞかれた草の重量は、第1回目のときに比べて倍以上になりました。

 
地点1の西部承水路の様子
水路の片側半分以上がチクゴスズメノヒエに覆われていますが、距離約27mの群落の一塊を取り除くことを目指しています。泥が深くて水路のなかに入って作業することができず、いかりやボートを使って岸辺に草を引き寄せています。矢板護岸がほどこされた水辺は、陸と水面との距離があり、泥のついた重たい草を引き上げるのも大変な力がいります。
  地点2の中央排水路
 中央排水路の上流側にはミクリ(絶滅危惧T類:石川県RDL)の大きな群落があります。ここではミクリの隙間にはえるチクゴスズメノヒエと、冬を前にして枯れるヒシの群落をとりのぞいています。今回の作業でチクゴスズメノヒエはすべて取り除きました。ヒシも枯れてなくなったため、この地点は今回で作業終了となりました。
 
地点3のアサザビオトープ横の水路
 コンクリートで護岸された水路内には、数カ所にアサザの群落と、チクゴスズメノヒエの群落がありました。水路一面を覆うチクゴスズメノヒエの群落があり、前回は279kg、今回は335kgが取り除かれ、ビオトープ横の水路内のチクゴスズメノヒエはすべてなくなりました。
  地点3で取り除かれたチクゴスズメノヒエ。
地点3では、ブルーギルやアメリカザリガニ、ドジョウやスジエビ、テナガエビがたくさん見られた。

(配信日:2005年12月21日)