第30回河北潟自然観察会
  
−アサザと湖岸改修の状況を観察−

 河北潟自然観察会が始まって丸5年となる、記念すべき第30回観察会は、雨模様の中での開催となりました。毎回少しずつ参加者が増えてきた河北潟自然観察会ですが、今回は、これまで250回以上も自然観察会を実施している大先輩の「森の都愛鳥会」からも3名の方が参加してくださいました。
 最初に最近アサザが増えてきているという、血ノ川を歩いて見て回りました。アサザが点々と群落をつくっているのを確認しましたが、残念ながら花を付けているところは観察できませんでした。この血ノ川は、現在河川改修中で、川幅を広げ両岸に矢板護岸を施している最中です。今のところ工事によるアサザへの影響はみられませでしたが、今後十分に注意して河川改修をおこなってもらえるよう、事業主体の県金沢農林事務所へ申し入れをしようということになりました。
 次に、河北潟の湖岸の様子と湖岸堤防の改修工事の現状をみるため、才田の湖岸堤防を訪れました。ここは、湖岸堤防改修にあたり、自然環境への配慮ということで、湖岸のヨシ帯の再生のための装置が設置されている場所です。堤防の先に波を避けるための防波壁が取り付けられ、その内側に周辺に生えていたヨシを植裁しています。こうしたアイディアは河北潟湖沼研究所も参加する地域の住民組織「自然再生協議会」のなかで提案されたもので、工事主体の県金沢農林事務所との協議により実現したものです。設置面積も小さくその効果もまだ未確認ですが、住民と行政の協働による河北潟の湖岸再生の大きな一歩といえるものです。こうした波除による河北潟の湖岸再生のアイディアは、1999年に河北潟湖沼研究所生物委員会が「河北潟将来構想」の中でも発表していたものですが、当時考えていた夢が、着実に現実になってきていることを感じました。
 「河北潟自然観察会」は、毎偶数月の第一日曜日に開催しています。詳しいご案内を知りたい方は、このホームページの「イベント情報」のコーナーをときどきチェックしてください。

 
湖岸に設置された波除堤防。ヨシも植栽されていた。   波除堤防の前であれこれと話し合う参加者たち。