第45回河北潟自然観察会
  
−冬の水田に「雪迎え」を観察−

 去る12月4日に第45回河北潟自然観察会がおこなわれました。
 前日まで天候の悪い日がつづいていましたが、当日は10時過ぎから晴れはじめ、風もない穏やかな天気となりました。
 そんな気象状況のおかげで、ふだんなかなか目にすることのない生きものの動きを観察することができました。それはゴッサマーとよばれる、空中を浮遊する細いクモ(蜘蛛)の糸と、たくさんの小さなクモです。
 水田の二番穂、畦や農道わきに生える背丈の低い草の上で、たくさんのクモが忙しそうに動いていたり、とまっていたり。逆光になると、クモの糸に光が当たってよく見えるのですが、広い範囲の草の上にクモの糸がかかっていました。
 草の上にいるクモは空へ飛びたとうとしているのでした。クモ観察に目がなれてくると、三脚や望遠鏡、車の上や、服の上、足下にも、あちらこちらにクモがいるので驚きます。空中飛行の邪魔になっていたのか、気流が上がらずに途中で落下したのか。河北潟は潟の周りに水田がひろがっていますが、とても広い範囲にたくさんのクモがいるようです。
 日本で“雪迎え”と呼ばれるこの現象、この日昼過ぎから天候が崩れ、吹雪となりました。こんなクモの動きに気づかれた中川さんと、天候に恵まれたおかげで、観察会は大いに盛り上がりました。
 

 
10時20分、足に魚をつかんだミサゴが潟湖のほうからやってきて、近くの電柱にとまった。魚を食べはじめるところをみることができた。穏やかな湖面では、カンムリカイツブリ、ヒドリガモ、ミコアイサ、オオバン、コガモ、マガモ、オナガガモがみられた。   よく見ると枯れた草の穂の上にたくさんのクモが集まっている。セスジアカムネグモの他、2種類のクモが確認された。残念ながら、クモの糸までは写真には写らなかったが、何万もの糸が光に反射して、水田一面に、たなびいているのが見えた。

 (配信日:2005年12月20日)