宇ノ気川で重油5000リットルが流出(第1報)

 新聞によると宇ノ気町宇気にある工場の屋外重油タンクの配管パイプのバルブ付近からC重油約5000リットルが漏れ出し、そのほとんどが宇ノ気川に流入したと考えられ、河北広域事務組合消防本部などが、中和剤の散布や回収作業に当たったことが報道されています(北國新聞1月22日付)。重油は長期間にわたり流れ出ていたもので、十分な回収は不可能な模様です。また、中和剤を直接川に流して使用したようで、今後重油そのものに加え、中和剤による河川生態系への影響が心配されます。また、宇ノ気川は河北潟に流れ込んでいることから、今後、河北潟の生態系へも影響がでることが懸念されます。

22日正午頃の状況

 河北潟自体は湖面が凍結しているため、重油の流入の状況や影響は把握できませんが、宇ノ気川には流入が起きた宇気地区から、河北潟の河口付近まで、重油が流れていることが確認できました。重油がヨシに絡みついて溜まっている地点が点々と確認されたほか、流出地点と河口の中間地点では川面には油が浮き光っていました。また橋の上には、油のにおいが漂っていました。現在のところ、河北潟河口付近で、オイルフェンスを張り回収作業を行っていますが、オイルフェンスに捉えられている重油は、確認した時点ではそれほど多くありませんでした。しかし、それ以前にどれほどの量の重油が回収されているかは確認していません。またオイルフェンスをいつ設置したのか、設置するまでにどれくらいの量が河北潟に流れ込んだと推定されるのかについては確認できていません。また、中和剤を使用したと報道されていますが、どの程度使用したかについては確認していません。消防本部による回収作業は、河口付近でおこわれているのが確認できました。

宇ノ気川(宇野気地区)では、水面に粘性の低い油分が浮き上がり流れている。橋の上からは、揮発性のにおいが漂っていた。

 

水が淀む場所では重油がヨシに絡みつくように漂っている。 量はそれほど多くないが、何カ所かでこのような場所が確認された。

 

河口の手前にオイルフェンスが張られている。その上流側に重油が少しずつ溜まっている。

宇ノ気川について

 宇ノ気川は、河北潟に流れ込む河川の中でも人工化が進み、また富栄養化の進んでいる河川です。事故現場から河口までは、両岸が矢板により護岸されていて、際だった河岸植生帯は存在しませんが、一部堆積が進んでいる場所は、砂州が形成され、主にヨシが生育しています。また、砂州や水辺には、カモ類やタゲリなどの野鳥が確認されます。東部承水路の最上流部に流れ込み、河北潟と繋がります。

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