宇ノ気川重油流出続報

 23日付北國新聞によると、宇ノ気町の工場から流出したC重油は6千500リットルであったことが明らかになりました。また、22日までに200リットル入りドラム缶15本分の重油が回収されたようです。
回収された重油には植物や水分、ゴミ、吸着剤などが含まれていると思われますので、重油そのものの回収量はそれほど多くないことが考えられます。
 また北國新聞23日夕刊では、流出した重油について「宇ノ気川と河北潟東部承水路の合流地点で、川面がシャーベット状の雪で覆われているため滞留し、東部承水路下流への流出は止まっている」とする河北広域消防本部の見解を伝えています。河北潟に積もった雪が自然のオイルフェンスとして働き、重油の拡散を防いでいるということができます。
 今後、揮発成分が蒸発し重くなった重油が沈殿すると回収が困難となりますので、迅速な回収作業が望まれます。既に沈殿している重油がないかどうか、水中に漂っている状態の重油が雪氷の下を流れて拡散していないかなど、現状の正確な把握が求められます。
 さらに宇ノ気川河口近くから油まみれの水鳥(油まみれの写真からはハシビロガモと思われる)の死体が確認されたことが報道されています(北國新聞23日夕刊)。重油流出の野生生物への影響が一部出てきているようです。今後、重油の付着による野鳥の死亡や植物の枯死などの、重油の河北潟生態系への直接的・短期的被害の程度の把握と、食物連鎖等を通じた間接的・長期的被害の有無について調査していく必要があると思われます。
 また、現在厳しい季節風の中で人海戦術によるきめの細かい重油回収作業が行われていますが、こうした手法は、分散剤を使用したりショベルカーで泥ごとすくい上げるような方法に比べ、重油回収にはもっとも効果的な方法であり、回収作業自体の生態系への影響を回避するうえでも適した方法だと思われます。

 
重油回収作業の様子   回収された、重油まみれのヨシ

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22-23日の現場の様子を示すくわしい写真はhttp://sawano.seiryo.ac.jp/lake/sympo99/oily.htmlに掲載されています。