水質浄化のための日中共同実験プロジェクトに調印

 河北潟湖沼研究所と中国科学院南京地理與湖泊研究所および香港理工大学との間で、水質浄化に関する国際共同研究プロジェクトが発足しました。
 2000年3月2日に中国南京市において、河北潟湖沼研究所と中国科学院南京地理與湖泊研究所および香港理工大学との間で、水質浄化に関する国際共同研究プロジェクトの調印式が行われました。これは南京市内にある莫愁湖において実験プラントを建設し、水質浄化のための研究を1年間実施するというものです。河北潟湖沼研究所は1996年より南京地理與湖泊研究所と交流を行ってきましたが、この度、実際の共同研究に取り組むことになったものです。
 このプロジェクトは、植物を利用した水質浄化を行うもので、南京地理與湖泊研究所教授の濮培民氏が中心になって取り組んできたシステムを基礎として、以前から河北潟において植物を利用した水質浄化に取り組んできた河北潟湖沼研究所と、微生物処理法などの技術において実績のある香港理工大学が共同で研究に取り組むものです。


調印式の模様


調印式の前に行われた学術交流。河北潟湖沼研究所からは高橋久研究員より河北潟の環境問題についての報告が行われた。

河北潟湖沼研究所訪中団が中国の湖沼を視察

 河北潟湖沼研究所訪中団は、2月28日より3月4日まで中国に滞在し、いくつかの湖を視察しました。中国の湖沼の環境は現在著しく悪化しています。今回は南京市内のいくつかの湖、および江蘇州太湖の視察を行いましたが、中国の湖沼問題の一端に触れることができました。


南京市中心部に近い場所に位置する玄武湖。この湖には揚子江からの水が流れ込んでいる。訪れた場所の水質の透明度はかなり低かった。


前湖は、山からの水が流れ込んでいるために水質は現在のところ良好である。


月牙湖の周辺は開発が進み、最近では大規模な住宅地の造成により、将来の水質悪化が懸念されている。


琵琶湖の4倍の面積を持つ太湖では、周辺の開発、とくに湖岸への工場の進出で水質が悪化している。


共同プロジェクトの実験場となる莫愁湖。現在の水質は濁りが目立つ。湖岸植生はほとんど見られない。

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