日中共同湖沼浄化研究プロジェクトの中間学術検討会が中国・南京で開催

 河北潟湖沼研究所と中国南京湖泊研究所、香港理工大学の共同研究プロジェクトとして2000年3月から始まった、南京市莫愁湖の水質浄化実験施設を使っての共同研究は、第一段階を終え、その成果を確かめ合うための学術検討会が先頃中国南京市で開催されました。
 2001年11月25日に南京湖泊研究所内で開催されたこの会議には、急用により残念ながら香港理工大学の参加はありませんでしたが、日本側からは定塚謙二金沢大学名誉教授(研究所所長)を団長とする8人、南京湖泊研究所のスタッフを中心に中国側からは約15人の参加で活発に発表と意見交換が繰り広げられました。

・発表者とタイトル

高橋 久 南京莫愁湖の水質の物理的特性の日周変化の特徴と夏冬での違い
濮 培民 莫愁湖の生態修復 − 理論と技術
楊  元 物理生態プロセスにおける細菌と水生高等生物が水質へ及ぼす影響
胡 春華 莫愁湖の底質沈殿物の分析
成 小英 ホテイアオイの枯死が湖の水質に与える影響
王 国祥 富栄養化した浅い湖沼においての水生植物の再生について
濮 培民 全体の総括
 
検討会に先立ち莫愁湖の実験場を視察する日本人スタッフ   検討会の様子(南京湖泊研究所内)

・日中共同湖沼浄化研究プロジェクトとは?

 2000年3月より河北潟湖沼研究所、中国南京湖泊研究所、香港理工大学とのあいだで取り組まれている共同研究プロジェクト。南京市にある観光地の湖、莫愁湖において水質浄化及び生態系修復の技術を研究している。日本は技術研究の背景となる湖の特性について、中国は浄化及び生態系修復技術について、香港は微生物に関しての実験を担当している。南京湖泊研究所の濮培民教授にデザインされた実験場において、水草を利用したシステムの構築を目指している。水草による水質改善効果はある程度確かめられたたことから、最近の焦点は、湖の生態系修復へと発展している。

 
2000年3月の調印式の様子(南京湖泊研究所)   南京莫愁湖の水質浄化実験施設