金沢市田上地区のホタルがさらに減少
−里山開発の一例−
昨年もニュースとして取り上げましたが、かつてはゲンジボタルの大量発生地であった金沢市田上地区では、外環状道路建設、宅地開発事業等により環境が破壊されたため、ゲンジボタルの発生が著しく減少しつつあります。河北潟湖沼研究所生物委員会が1997年に実施した調査では、6月8日に1830匹、12日に2769匹、17日に2369匹、23日に1419匹、30日に539匹(.河北潟総合研究Vol2.P11−18)のゲンジボタルが確認されています。ところが、2000年おこなった3回の調査の結果からは、生息地は8カ所へと激減し、最大発生数も200匹程に減少していることがわかりました。
今年も生物委員会の西原昇吾氏を中心にして、これまでに3回の調査を実施しました。その結果は、6月3日に4カ所で11匹の確認、6月10日に5カ所で67匹の確認、6月17日に 5カ所で164匹の確認に留まっています。
最近石川県内でも、ホタルの里づくりがいくつくかの場所でおこなわれていますが、田上地区においては、再生の前に、現在残っているホタルの生息地をまず第一に守ることが求められます。一度破壊された環境は簡単には元には戻りません。
今年度の調査の詳細は、今後発表していく予定です。