「いしかわビトープ交流会開催」される
      −片野鴨池の野鳥観察と鴨猟場視察も−

 さる10月20日に加賀市の片野鴨池観察館において、「いしかわビオトープ交流会」の第1回総会が開催されました。秋晴れの中、約25名の参加者を得て、事例報告、総会、自然観察会が楽しくおこなわれました。事例報告はまず最初に、能登島の源内伸秀さんが、市民の立場で取り組んできたビオトープ活動について報告をおこないました。次に、金沢市で環境関連のコンサルタント業を営む野村幸平さんが、ビオトープについての解説と各地のビオトープ活動についての紹介をされました。総会では、規約や活動計画を採択しました。総会後の自然観察会では、鴨池観察館の大畑孝二チーフレンジャーの解説により鴨池の歴史や環境の現状、野鳥の生態について解説していただき、フィールドスコープで実際に野鳥を観察しました。観察舎の近くにある鴨猟の猟場の見学もおこないました。
 このページでは、事例報告についておおざっぱな概要を、記者の会場で取ったメモに基づいてお知らせします。事例報告の詳しい内容については、「交流会」のニュースレターに掲載される予定です。「いしかわビオトープ交流会」に入会を希望される方は、いしかわビオトープ交流会事務局にお問い合わせください。

 

会場の様子

 

鴨池の説明をする大畑さん(中央)

源内伸秀さん「能登島でのビオトープづくりの取り組み」
 源内さんが発表に慣れていないということで質疑応答形式で話を進めました。以下は、おもな質問と回答です。
(質問:これまでのとりくみの経緯について教えてください。)
 これまで能登島の自然を見に来る観光客を相手にした仕事をする中で、自然とはいったいどういうことなのだろうという疑問を持ち、自分で調べてみようという気持ちになった。昔農業をやっていたため今でも田圃はあるので、休耕地を利用して、ユンボをいれてビオトープの造成をした。生物の生態を知ることが大事と思って活動をしている。
(質問:以前に池を見に行きました。その時、ビオトープにどんな生き物がくるのか見てみたいと話していましたが、実際どんな生き物が見られるようになったのですか?)
 ヒメゲンゴロウが多くいる。コオイムシも見られる。トンボの数が多い。トンボは昨年より増えている。
(賛同される方をつくっていかないといけないのでは?)
 若い行政の方と一緒に取り組んでいきたいと思っている。能登島は全域がビオトープのようなものだ。別荘地となっている西岸の護岸されていないところにある植物を探しに行ったら、湿地にミズオオバコが自生していた。その10-15mとなりに別荘が建てられている。

野村幸平さん「各地のビオトープを視察して」 
 野村さんは、職業として多自然型の施工に携わりたいと思っていて、ビオトープのことも研究されています。豊富な知識を基に、ビオトープの歴史や概念についてまず最初にお話しされました。次に、各地のビオトープの実践例について、ビオトープの3つのキーワード、1.土地を確保して広げる、つなげる。2.生き物を守る、技を育てる。3.市民参加による保護、に基づいて、それぞれの優れた事例についてご紹介いただきました。