河北潟の湖面利用のルールができました

 河北潟は、フナ釣り、バス釣り、カヌー、水上オートバイ、ウェイクボードなど、様々なレジャー・スポーツに使われておりますが、特に最近、エンジンのついた装置を使ってのレジャーが増えています。河北潟は公共水域であり、また漁業権も消失しているため、湖面での船舶または遊具の使用にあたっては特別な規制はありません。しかし利用が増えることによって、利用者間でのトラブルが起こることが予想されます。またなによりも、河北潟の自然が損なわれる可能性が考えられます。
 河北潟には、毎年2万羽のガンカモ類が越冬しています。湖岸のヨシ帯は、石川県指定希少野生動植物のチュウヒをはじめ、オオヨシキリやカイツブリの繁殖場所となっています。またギンブナやコイの産卵場所にもなっています。モーターボートが高速で運航した場合、野鳥への直接的な驚異になることはもちろんですが、とくにウェイクボードでは、牽引船により強い波が立つためヨシ帯の泥が洗われ、ヨシ帯が損傷する可能性もあります。
 こうした状況が河北潟湖沼研究所も参加する河北潟自然再生協議会の中で取り上げられ議論されてきました。その結果、湖面利用者や関係団体へ呼びかけて、河北潟湖面の適正な利用方法を話し合おうということになり、河北潟自然再生協議会に参加するバス釣りグループやそれらのグループを通じ、またその他のつながりの中で呼びかけをおこない、昨年6月より30を超える団体・個人が集まって、3回の話し合いをおこないました。そうした話し合いを経て、このたび河北潟湖面利用ルールをまとめることができました。また、話し合いに集まった団体により、河北潟湖面利用協議会を結成し、今後とも話し合いを続けていくこととなりました。
 ルールはこの協議会名で発行し、チラシの形にして配布するとともに、同様の看板を河北潟の湖岸に建てて、ルールの普及をおこなう予定です。このルールは、河北潟湖面利用者が生態系へ配慮する立場に立って相互に自主的に守っていくものです。是非ともご協力のほどよろしくお願いいたします。

 ルールのチラシはこちらからダウンロードできます。(→こちら)

(配信日:2010年3月10日)