諫早湾の潮受け堤防の水門開放のための試案を発表
   −宮江伸一河北潟湖沼研究所理事(元金沢大学教授)による緩やかな水門開放の提案

 河北潟湖沼研究所理事を務める宮江伸一元金沢大工学部教授は、このほど、有明海のノリ不作問題で揺れる長崎県・諫早湾干拓事業の焦点となっている潮受け堤防の水門の開放についての試案をまとめ発表しました(北陸中日新聞2001年3月10日付)。
 この試案は、ノリ被害の主要因を干拓事業にあるとして、即時水門の全面開放を求める意見が強まる一方で、「水門を開放すれば漁場が汚染される」といった意見もあることを考慮し、どのように水門を開けたら懸念される問題を回避できるのかということを、専門的立場から具体的に言及したものです。
 試案の中では、南北の水門を一方は流入のため、一方は流出のために時間差で開ける方法などが提案されています。また、蓄積した汚泥が舞い上がらないための方策、調整池の汚水による外海への影響を最小限にとどめる方法や、さらに潮受け堤防の有効な活用法に対しての提言までが含まれています。
 また、この中で述べられている塩水による汚濁物質の除去に関してのアイディアは、富栄養化の進行する河北潟や、全国の富栄養化の進行する人工的な閉鎖性水域においても応用が期待されるもので、河北潟湖沼研究所としても今後、河北潟の水を使って、塩水による凝集実験を開始することを検討しています。

 宮江伸一理事の試案の全文はこちらにあります。

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