バス釣りグループが河北潟の水質を調査
  

 ブラックバスの釣りの愛好家たちでつくる「北陸ランカ−スナイパーズ」は、さる7月21日に河北潟でおこなわれた釣りのトーナメントにあわせて、環境悪化が懸念される河北潟の水質調査を実施しました。最近、河北潟の水が汚れていることや、バスの奇形が目立つこと、皮膚のかぶれを起こす人がいることなどが、仲間の中でたびたび話題となり、日頃から自分たちがふれあっている河北潟の状態を心配するメンバーが増えてきました。そこで相談を受けた河北潟湖沼研究所のメンバーも協力して、自分たちでも取り組める簡単な水質調査をおこなうこととなりました。
 当日は参加者がそれぞれ思い思いのポイントから、ペットボトルに採水した水を集合場所に持ち帰り、パックテストによる水質試験をおこないました。地点によっては、CODで20ppmを超える結果が得られ、簡便法による誤差を考慮しても、河北潟の富栄養化が著しいことを、参加者の多くがあらためて認識しました。
 調査の後のミーティングでは、「河北潟の汚れがひどいことに驚いた」、「自分たちの釣り場の状況がわかり参考になった」などの意見が出され、今後とも月1回のペースで水質調査を継続的におこない、バスが釣れないことの原因を探るとともに、河北潟の水質のデータを収集していくことを決めました。
 北陸ランカースナイパーズは、これまでにも、河北潟クリーン作戦に積極的に参加したり、湖岸の野鳥に配慮した独自のルールづくりに取り組むなど、釣りを楽しむと同時に、釣りの場である水辺の環境についてまじめに考え行動してきたグループです。ブラックバスをめぐる状況は、現在、琵琶湖において顕在化しているように、きわめて深刻であり、また、釣り業界と環境保護団体との対立も顕著となりつつあります(たとえば京都新聞7月12日付記事を参照)。河北潟でも、ブラックバスやブルーギルなどの最近になって侵入した外来魚は、湖の生態系のかく乱を引き起こしている可能性があり、生物委員会としても生息状況の調査を継続的におこなっています。しかし、バスの生息を前提としていたとしても、多くの若者が所属するグループが、身近な環境を意識して活動していこうとする姿勢は積極的に評価できるものです。ともに取り組むことのできる課題については、できるだけ積極的に協力・協働していきたいと思います(記事:高橋 久)。

 
水質調査をおこなうランカースナイパーズのメンバー。   パックテストによりCODを測定。思いのほか高い値に驚きの声が。