農家と連携した野鳥保護の取り組み
 −加賀「鴨池田んぼクラブ」と周辺農家による「鴨米ともえ」−

 新聞によると、先のビオトープ交流会の中でも紹介されている「鴨池田んぼクラブ」が、周辺農家と協力して、、鴨池で越冬する水鳥の餌場となる水田に冬期間水を張り、野鳥の餌場を確保するとともに、その水田で「野鳥保護米」を栽培し、販売することが報道されています(北國新聞2001年1月7日付)。
 西日本最大のガン類の越冬地である加賀市鴨池は、国際的な湿地・水鳥保護のラムサール条約登録地になっていますが、近年、採食環境の水田が乾田化し、落ち籾などが食べられないことが原因でトモエガモなどの減少が顕著となっています。「鴨池田んぼクラブ」では、冬季間水田に水を張ってくれる農家のために、その水田から収穫された米を「加賀の鴨米ともえ」と名付け、予約受付や米袋作りの販売協力等をおこなうようです。
 河北潟では、野鳥による農産物へ被害が大きく取り上げられる一方で、将来にむけて、生産者と野鳥との共存が大きな課題となっています。河北潟に近い鴨池において、このような、農家と野鳥保護の立場の人たちが協力して野鳥との共存を計ろうという取り組みが行われることに、大きな期待がもたれます。今後、河北潟でも、さまざまな知恵を出し合い、生産者と野鳥共存へ取り組んでいくことが求められます。

「加賀の鴨米ともえ」についての詳しい情報は、鴨池観察館ホームページ・鴨池通信に掲載されています。

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