池の周辺は、冬の間にロゼット葉を広げていたハマダイコンが元気に生育します。ハマダイコンは4月下旬から5月中旬に薄桃色の花を咲かせ、河北潟のあちこちでハマダイコンの花畑がひろがります。
5月下旬になると、ハマダイコンと入れ替わるようにしてヨシが伸び出します。
植物の生育はとても盛んになり、イネ科植物やキク科植物の多くは1mを越えます。さらに梅雨の間に急速に伸びて、鬱蒼とした空間に移り変わります。
1999年 2000年 2001年 2002年
1999年
4月初旬、アズマヒキガエルの幼生が確認されました。孵化して4,5日目の様子で、数は推定1〜2卵塊。
この時期、多くの植物は生育をはじめたところで、殺風景な空間となっています。
水面にはアサザの葉が点在し、水辺ではヨシやガマが伸長中です。
春先に一番早く伸び始めたのはヒメガマでした。
4月4日(日)に自然観察会がおこなわれ、ミズカマキリ、ミズムシ、チビゲンゴロウなどの水生昆虫が確認されました。そのほかカナヘビ、アジアイトトンボが確認されました。ウシガエルの幼体がピャッと鳴いて水中へ逃げこみ、3匹ほど定着しているのが確認されました。
4月下旬には、アサザの葉で水面が覆われました。水辺にはミクリやマコモ、イネ科草本を始め植物の生育が旺盛です。
両足が生えて尾が短くなったアズマヒキガエルの幼生は5月中旬から陸地にあがり始めました。ヨシの葉が堆積するなだらかな水辺に、変態しおえたアズマヒキガエルが集まります。上陸の機会を待ってじっとしており、踏めつけてしまいそうで冷や冷やしました。トノサマガエルの鳴き声もこの頃聞かれましたが、卵も幼生もみられませんでした。
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2001年 この冬は大雪でした。ヨシの枯れた桿が倒れ、水面を被覆しました(写真:左端)。 3月、水辺近くにアズマヒキガエルの死体がいくつか確認されました。死体は何かにつつかれたような様子で、内臓のみが残されたものもありました。水辺の一部でアズマヒキガエルの卵塊が確認されました(3/18)。ヨシが被覆していない水辺は、観察舎側の一部だけでしたが、その一部に固まって産卵されていました。数は3卵塊ほど。前年に比べ少なくなりました。産卵後1〜2日の様子。 産卵場から3mほど離れた草地に、アズマヒキガエル(雄)がウシガエル(雌)に抱接しているのが見られました。アズマヒキガエルは腕にありったけの力を入れ、まったく放そうとせずウシガエルにしがみついていました。アズマヒキガエルの雌と間違えられて抱きつかれたウシガエルは、雄を放す術を知らず、そのままアズマヒキガエルを背中に乗せた状態で移動していきました。 草地には帰化植物の割合が増え、前年の秋にはセイタカアワダチソウやヒメムカシヨモギ、オオアレチノギクなどがロゼット葉を広げていました。地表の大半を帰化植物が被覆し冬越しの準備をしていたのです。 しかし、大雪によって秋にロゼットを広げていた植物の大半が枯死して、その後ハマダイコンが勢いよくロゼットを広げ出しました。雪によって帰化植物の生育が押さえられました。 |
2002年 今年もアズマヒキガエルが産卵に来ました。確認したのは3月9。産卵してから1日〜2日ほどのものが6卵塊ほどみられました。水辺は枯れたヨシが茂っているので、冬季に水辺の一部のヨシを刈りはらっていましたが、その場所に産卵していました。アズマヒキガエルの産卵場所は、水深が浅くて開放的な空間のある水辺。アズマヒキガエルは細長いひも状の卵塊を、ゆっくりと歩きながら産みます。卵塊はヨシの枯れた茎などにまきつけたり、引っかけたりします。3月15日には雌1匹と雄匹が水辺にいるのをみました。 3月下旬にはたくさんのアズマヒキガエルの幼生がみられ、ヌカエビやアナンデールヨコエビ、ミズムシが多数見られ、サカマキガイも確認されました。 3月31日にケースにミズアオイの種を撒布して、ビオトープ池の観察者に置く。 3月9日にはヤナギが芽吹いていました。ヤナギは植栽しましたが、順調に生育して3mを超える高さになっています。 4月中旬にウシガエルの幼体を3匹確認し、その後常時ウシガエルの成体、幼体が確認されています。アメリカザリガニは昨年は冬季中も枯れ草の下に幼体が多数見られましたが、今年は枯れ草の下には見られず、5月に成体が確認され5月下旬には多数確認されました。また5月下旬にはミシシッピアカミミガメも確認されました。 アオサギやゴイサギが餌を採りに、ビオトープ池に度々来ている様子。 |
3月のビオトープ池 ヤナギの芽吹き |
ネズミにかじられた ハマダイコン |
5月の河北潟の景色 ハマダイコンと菜の花 |