biotop ビオトープとは・・Bios(生物)Tops(場所)を合わせたドイツ語。



 ビオトープを創出・復元するには、周辺にどのような野生生物が生息し、どのような環境があるのかを調べることから始まります。そして呼び戻そうとする野生生物の必要とする環境を知らなくては、ビオトープをつくることはできません。
 また、ビオトープが創出・復元されても、人の生活の中にビオトープとの接点をつくった状態のものでなければビオトープをつくった目的通りに維持することは難しいと考えられます。


○河北潟は広大なビオトープ
 石川県の金沢市街地中心部から北西へ約10kmの位置にある河北潟。県内も市街地がひろがり平野部は人工的な環境が増えていますが、河北潟には広大な農地、湖、草地、ヨシやガマの生える水辺が残されています。


身近なところにビオトープはたくさんあります。定期的に観察を行っているビオトープについて2つ紹介します。
●見所たくさん!じっくりみよう金沢城公園


●河北潟干拓地に造成したビオトープ実験池

     

○身近なビオトープ
  
身近な自然に目を向けよう
  
街路樹はビオトープとして機能させることが重要
  
水辺環境に生息する生物と環境
  ■丘陵地の自然


○こどもたちの手でつくられるビオトープ
 多くの学校で、グランドの端や中庭などの余剰な場所に、池や田んぼなどのビオトープがつくられています。大勢でなにかをつくりあげる、手足がどろどろになるまで外で遊ぶ、こういった体験が子どもの成長の過程でとても大切であることが認知されています。こどもたちの自然観察や体験学習の場として機能するビオトープは、とても重要な役割を担っているといえます。
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学校ビオトープを広大に!地域の自然園としての機能をもたせてほしい


○平野部のビオトープ

 地図で金沢市の平野部を見てみると、兼六園・金沢城公園の辺りの緑が目立ちます。そして日本海側へと目を移していくと普正寺の森、社寺林うあ農地が点在しています。河北潟には農地がまとまってありますが、水辺はすべて人工的な護岸が施されています。新しくできた県庁の一帯は、農地が広がっていましたがこの1,2年で変貌しました。
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市街地がひろがる平野部では、地域計画のもとで十分な規制を
  


□参 照
  
「ビオトープ造成の現状と石川県内での実例紹介」  河北潟総合研究第3巻(1999年11月発行)pp.41-50より

 生きものがお互いのつながり合いのなかで生きることができる自然、そのような意味をもっているビオトープですが、近年さまざまな自然環境が改変されビオトープが失われています。身近なところにたくさんいた生きものを絶滅から守るために、それぞれの種の生態を知り、それらの生活に必要な環境を保全、創出、復元する必要があります。

 20世紀に日本は急速な発展を遂げました。大量生産・大量消費のシステムがつくりあげられ、豊かさがみられますが健全な状態とはいえません。大勢の人が苦労をし時間をかけて作った物が、大量に捨てられる毎日です。たくさんのゴミと疲労を生みながら、豊かな環境を削っている現状を変えなくてはなりません。
 土地利用や地域計画、企業理念、私生活のなかに、ビオトープの考え方や見方をとりこんでいくことで、人の営みを健全に持続させる方向性が見いだせるのではないでしょうか。



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