河北潟湖沼研究所が農家と取り組む河北潟の水辺・田んぼの生物多様性を保全するお米
石橋農園さんは2015年から生きもの元気米に参加してくださっています。2015年は河北潟干拓地内の田んぼ:IKo140で、2016年からは田んぼIKi789、2021年度からは田んぼIKi25での生産も始まりました。 |

生産者:楽園果実 石橋農園さん
(写真は園主・石橋 英朗さん)
生きもの元気米生産地:金沢市岸川町
石川県金沢市岸川町7、8、9(約2,457平方メートル)
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4月23日粗起こし |
5月28日田んぼの様子 |
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| 7月4日生きもの調査 |
7月におこなった参加型田んぼの生きもの調査で、コツブムシ(おそらくチョウセンコツブムシ)が数個体見つかりました。ダンゴムシによく似ていますが、尾肢がひれのように大きいなど、泳ぐのが上手な体のつくりをしています。コツブムシ類はもともと海に住んでいるものが多く、コツブムシ類を含む等脚類も海産種が多いのですが、陸に進出したものも多く、海岸の岩場にみられるフナムシや、身近なところにいるワラジムシなどがいます。深海に生息するダイオウグソクムシが有名です。
この田んぼは、生きもの元気米8年目をむかえました。1年目から農薬不使用でつくられており、2019年からは肥料も一切使われていません。生きもの元気米の中では一番山側にある田んぼです。今年は魚道を設置して、田んぼに魚が入れるようにしようとしましたが、用水の水量が少なくうまくいきませんでした。今年は湧水を好むコツブムシ(おそらくチョウセンコツブムシ)という小さな生きものが田んぼでみつかりました。 |
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1)昆虫スイーピング調査
2)底生生物調査
3)植物調査
*調査員 川原奈苗(NPO法人河北潟湖沼研究所)
*生きもの調査の結果はこの下に田んぼの生きものリストでご確認いただけます。
| 〈田んぼの中の除草剤や殺虫剤の使用削減により増える生きもの〉 |
| シャジクモ |
| ゲンゴロウ類幼虫 |
| ガムシB成虫幼虫 |
| シオカラトンボ幼虫、アカネ類幼虫 |
| 〈畦除草剤を使用しないことで増える生きもの〉 |
| セリ、イグサ |
| イナゴ類 |
| 〈田んぼが湛水されることで増える生きもの〉 |
| トノサマガエル成体 |
| イトトンボ類 成虫 |
| 〈そのほか田んぼの生物多様性の点から重要な生きもの〉 |
| ドブシジミ |
| ユスリカ幼虫 |
| カイエビ |
| コツブムシ類 |
| クモA、コモリグモ |
| その他の動物 |
| コミズムシ |
| コガシラミズムシ |
| ケラ |
| ミズアブ幼虫 |
| カゲロウ幼虫 |
| マツモムシ?成虫 |
| ヒメアメンボ |
| アメンボ |
| アメリカザリガニ |
| マメコガネ |
| ヒシバッタ |
| ショウリョウバッタ |
| オンブバッタ |
| コオロギ(マダラスズ_) |
| コオロギB |
| ハンミョウ |
| ハムシA |
| ハムシB |
| ダンゴムシ |
| シオカラトンボ |
| ハエB |
| テントウムシ類 |
| ウンカ類 |
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| イトトンボ | ミズカマキリ(田んぼの隣の土水路にて確認) |
| 科名 | 種名 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
| トクサ | スギナ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
| サトイモ | アオウキクサ | 〇 | |||||||
| ウキクサ | 〇 | ||||||||
| オモダカ | オモダカ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
| ラン | ネジバナ | 〇 | |||||||
| ツユクサ | ツユクサ | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
| イボクサ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
| ミズアオイ | コナギ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| イグサ | イグサ | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
| カヤツリグサ | コゴメガヤツリ | ○ | 〇 | 〇 | |||||
| カヤツリグサ | ○ | 〇 | |||||||
| キンガヤツリ | 〇 | ||||||||
| ハリイ | 〇 | ||||||||
| クログワイ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
| ヒデリコ | 〇 | 〇 | |||||||
| ホタルイ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
| イヌホタルイ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
| イネ | スズメノテッポウ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
| メリケンカルカヤ | 〇 | 〇 | |||||||
| メヒシバ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
| ケイヌビエ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
| タイヌビエ | 〇 | ||||||||
| イヌビエ | 〇 | ||||||||
| チガヤ | 〇 | 〇 | |||||||
| オオスズメノカタビラ | 〇 | ||||||||
| スズメノカタビラ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
| ヒエガエリ | 〇 | ||||||||
| アキノエノコログサ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
| ベンケイソウ | コモチマンネングサ | 〇 | 〇 | ||||||
| キンポウゲ | タガラシ | 〇 | |||||||
| アカバナ | チョウジタデ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
| メマツヨイグサ | 〇 | ||||||||
| マメ | クサネム | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| コメツブツメクサ | 〇 | ||||||||
| シロツメクサ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
| ヤハズエンドウ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
| カタバミ | カタバミ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
| オッタチカタバミ | 〇 | ||||||||
| トウダイグサ | エノキグサ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| コニシキソウ | ○ | 〇 | |||||||
| オトギリソウ | コケオトギリ | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
| アブラナ | タネツケバナ | ○ | 〇 | 〇 | |||||
| スカシタゴボウ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
| タデ | イヌタデ | 〇 | |||||||
| ミゾソバ | 〇 | 〇 | |||||||
| ヤナギタデ | 〇 | ||||||||
| ナデシコ | オランダミミナグサ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
| ザクロソウ | ザクロソウ | 〇 | |||||||
| サクラソウ | コナスビ | 〇 | |||||||
| スベリヒユ | スベリヒユ | ○ | 〇 | ||||||
| アカネ | フタバムグラ | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
| ヒルガオ | アサガオ | ||||||||
| ヒルガオ科の一種 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
| アゼナ | アメリカアゼナ | 〇 | |||||||
| アゼナ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
| シソ | トウバナ | 〇 | |||||||
| サギゴケ | トキワハゼ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
| キク | ヨモギ | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
| アメリカセンダングサ | 〇 | 〇 | |||||||
| トキンソウ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
| タカサブロウ | ○ | 〇 | |||||||
| ヒメジョオン | 〇 | ||||||||
| ハルジオン | 〇 | ||||||||
| ヒメムカシヨモギ | 〇 | 〇 | |||||||
| オオアレチノギク | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
| コウゾリナ | ○ | ||||||||
| ハハコグサ | ○ | 〇 | |||||||
| アキノノゲシ | 〇 | ||||||||
| セイタカアワダチソウ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
| オニノゲシ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
| セイヨウタンポポ | 〇 | 〇 | |||||||
| オニタビラコ | 〇 | ||||||||
| セリ | セリ | 〇 | 〇 | ||||||
| 25 | 31 | 28 | 26 | 23 | 24 | 22 | 38 |
農薬不使用
・・・農薬は一切使用していません。
◎ネオニコチノイド系農薬不使用(苗にも使っていません)
◎ラジコンヘリによる殺虫剤の空中散布なし
◎畦の除草剤不使用
確認中です
コシヒカリ
確認中です
石橋農園さんからのメッセージ
自分が食べたいと思うものをつくる
2015年度から、生きもの元気米の栽培契約を交わしました。田んぼのほかに、河北潟干拓地で農薬を使わない果実や野菜も栽培しています。これらの野菜や果実を食べて育ったニワトリも園内で飼っています。
農薬は好きではありません。自分が食べたいと思うものを目指した結果、農薬を使わないことを基本に栽培する農作物が増えていきました。毎年、栽培方法を試しながら日々農業に向き合い、試行錯誤を重ねて、いい農作物を作りたいと考えていをます。
生きもの元気米の取り組みは2014年に話を聞いたときから、農薬をつかわない取り組みとして興味があり、私の作っている米も皆様に食べてもらいたいと思い参加しました。