河北潟湖沼研究所が農家と取り組む河北潟の水辺・田んぼの生物多様性を保全するお米
石橋農園さんは2015年から生きもの元気米に参加してくださっています。2015年は河北潟干拓地内の田んぼ:IKo140で、2016年からは田んぼIKi789、2021年度からは田んぼIKi25、2023年度からはIKi4748での生産も始まりました。 |

生産者:楽園果実 石橋農園さん
(写真は園主・石橋 英朗さん)
生きもの元気米生産地:金沢市岸川町
石川県金沢市岸川町7、8、9(約2,457平方メートル)
生きもの元気米10年目の田んぼです。
2025年6月12日
2025年7月24日
赤とんぼ類の幼虫が毎年みられる田んぼです。そのほかヒメゲンゴロウ類の幼虫や、ゴマフガムシ類、カイエビなどが確認されました。用水に十分な水が流れないことも多く、田んぼに水を溜められないので雑草が繁茂しやすい状態となり、農薬不使用での栽培を続けることが難しくなりました。2024年より減農薬での栽培に変わりましたが、その使用量はわずかなようで、水生植物のコナギ、ホタルイ、クログワイ、オモダカなどがみられます。
この田んぼは8年間農薬不使用で栽培していましたが、雑草が蔓延り収量が激減し、生産農家さんの体力的にも厳しくなり、農薬不使用での栽培を続けることが難しくなりました。生産農家さん自身で水管理できれば、深水に調整し雑草を抑えられるのですが、2023年より地域の用水路の管理が変わり、水が十分に入らなくなったことが一番影響したようです。2024年より除草剤1回のみの農薬9割減で栽培されています。コナギやホタルイの発生が少しは減りましたが、除草剤はわずかしか使われておらず、田んぼ内にはそれなりに雑草がみられ、水生植物のクログワイも消えずにみられました。
生きもの調査について
1)昆虫スイーピング調査
2)底生生物調査
3)植物調査
*調査員 川原奈苗、南葉錬志郎(NPO法人河北潟湖沼研究所)
*生きもの調査の結果はこの下に田んぼの生きものリストでご確認いただけます。
<陸の生きもの>
| 分類 | 種名 | ||
| 両生類 | |||
| カエル目 | アマガエル科 | ニホンアマガエル(成体) | |
| 昆虫類 | |||
| トンボ目 | イトトンボ科 | アジアイトトンボ | |
| トンボ科 | シオカラトンボ | ||
| バッタ目 | バッタ科 | ハネナガイナゴ | |
| ショウリョウバッタ | |||
| トノサマバッタ(幼虫) | |||
| キリギリス科 | ウスイロササキリ | ||
| カメムシ目 | ウンカ科 | ヒメトビウンカ | |
| ヨコバイ科 | ヨツモンヒメヨコバイ | ||
| グンバイムシ科 | アワダチソウグンバイ | ||
| コウチュウ目 | コガネムシ科 | マメコガネ | |
| ハネカクシ科 | アオバアリガタハネカクシ | ||
| ハムシ科 | キバラルリクビボソハムシ | ||
| ハエ目 | ユスリカ科 | ユスリカ科の一種 | |
| ハチ目 | ヒメバチ科 | ヒメバチ科の一種 | |
| コバチの一種 | |||
| アザミウマ目 | アザミウマ科 | アザミウマ科の一種 | |
| クモガタ類 | |||
| クモ目 | コモリグモ科 | コモリグモ科 | |
| コガネグモ科 | ドヨウオニグモ | ||
| アシナガグモ科 | アシナガグモ科 | ||
| ハエトリグモ科 | ハエトリグモ科の一種(幼体) |
<水の中の生きもの>
| 分類 | 種名 | ||
| 両生類 | |||
| カエル目 | アマガエル科 | ニホンアマガエル(幼生) | |
| 昆虫類 | |||
| トンボ目 | トンボ科 | アカネ属の一種(幼虫) | |
| カメムシ目 | マツモムシ科 | コマツモムシ | |
| アメンボ科 | ヒメアメンボ | ||
| ミズムシ科 | コミズムシ属の一種 | ||
| コウチュウ目 | ガムシ科 | ゴマフガムシ | |
| コガムシ | |||
| ゲンゴロウ科 | チビゲンゴロウ | ||
| ヒメゲンゴロウ(幼虫) | |||
| ハエ目 | ユスリカ科 | ユスリカ科の一種(幼虫) | |
| 二枚貝類 | |||
| マルスダレガイ目 | ドブシジミ科 | ドブシジミ | |
| 巻貝類 | |||
| モノアラガイ科 | モノアラガイ科 | ヒメモノアラガイ | |
| サカマキガイ科 | サカマキガイ | ||
| ミミズ類 | |||
| イトミミズ目 | イトミミズ科 | イトミミズ科の一種 | |
| ヒル類 | |||
| ヒル目 | イシビル科 | セスジビル | |
| 甲殻類 | |||
| カイエビ目 | カイエビ科 | カイエビ | |
| エビ目 | アメリカザリガニ科 | アメリカザリガニ |
2025年分作成中
| 科名 | 種名 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 |
| トクサ | スギナ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
| サトイモ | アオウキクサ | 〇 | ||||||||
| ウキクサ | 〇 | |||||||||
| オモダカ | オモダカ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
| ラン | ネジバナ | 〇 | ||||||||
| ツユクサ | ツユクサ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
| イボクサ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
| ミズアオイ | コナギ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| イグサ | イグサ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
| カヤツリグサ | コゴメガヤツリ | ○ | 〇 | 〇 | ||||||
| カヤツリグサ | ○ | 〇 | ||||||||
| キンガヤツリ | 〇 | |||||||||
| マツバイ | 〇 | |||||||||
| ハリイ | 〇 | |||||||||
| クログワイ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
| テンツキ | 〇 | |||||||||
| ヒデリコ | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
| ホタルイ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
| イヌホタルイ | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
| イネ | スズメノテッポウ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
| メリケンカルカヤ | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
| メヒシバ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
| ケイヌビエ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
| タイヌビエ | 〇 | 〇 | ||||||||
| イヌビエ | 〇 | |||||||||
| チガヤ | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
| オオスズメノカタビラ | 〇 | 〇 | ||||||||
| スズメノカタビラ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
| ヒエガエリ | 〇 | |||||||||
| アキノエノコログサ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
| キンエノコロ | 〇 | |||||||||
| ベンケイソウ | コモチマンネングサ | 〇 | 〇 | |||||||
| ツルマンネングサ | 〇 | |||||||||
| キンポウゲ | タガラシ | 〇 | ||||||||
| アカバナ | チョウジタデ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
| メマツヨイグサ | 〇 | 〇 | ||||||||
| マメ | クサネム | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| コメツブツメクサ | 〇 | 〇 | ||||||||
| シロツメクサ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
| ヤハズエンドウ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
| カタバミ | カタバミ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
| オッタチカタバミ | 〇 | 〇 | ||||||||
| トウダイグサ | エノキグサ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| コニシキソウ | ○ | 〇 | 〇 | |||||||
| オオニシキソウ | 〇 | |||||||||
| オトギリソウ | コケオトギリ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
| アブラナ | タネツケバナ | ○ | 〇 | 〇 | ||||||
| スカシタゴボウ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
| タデ | イヌタデ | 〇 | ||||||||
| ミゾソバ | 〇 | 〇 | ||||||||
| ヤナギタデ | 〇 | |||||||||
| ナデシコ | オランダミミナグサ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
| ザクロソウ | ザクロソウ | 〇 | 〇 | |||||||
| サクラソウ | コナスビ | 〇 | ||||||||
| スベリヒユ | スベリヒユ | ○ | 〇 | |||||||
| アカネ | フタバムグラ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
| ヒルガオ | アサガオ | |||||||||
| ヒルガオ科の一種 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
| アゼナ | アメリカアゼナ | 〇 | ||||||||
| アゼナ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
| ウリクサ | 〇 | |||||||||
| シソ | トウバナ | 〇 | ||||||||
| サギゴケ | トキワハゼ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
| キク | ヨモギ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
| アメリカセンダングサ | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
| トキンソウ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
| アメリカタカサブロウ | 〇 | |||||||||
| タカサブロウ | ○ | 〇 | ||||||||
| ヒメジョオン | 〇 | 〇 | ||||||||
| ハルジオン | 〇 | |||||||||
| ヒメムカシヨモギ | 〇 | 〇 | ||||||||
| オオアレチノギク | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
| コウゾリナ | ○ | |||||||||
| ハハコグサ | ○ | 〇 | ||||||||
| アキノノゲシ | 〇 | 〇 | ||||||||
| ノボロギク | 〇 | |||||||||
| セイタカアワダチソウ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
| オニノゲシ | ○ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
| セイヨウタンポポ | 〇 | 〇 | ||||||||
| オニタビラコ | 〇 | |||||||||
| セリ | セリ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
| 25 | 31 | 28 | 26 | 23 | 24 | 22 | 38 | 45 |
◎ネオニコチノイド系農薬不使用(苗にも使っていません)
◎ラジコンヘリによる殺虫剤の空中散布なし
◎畦の除草剤不使用
田んぼで使用された農薬
除草剤/クリンチャーバスME液剤(使用時期:2025年7月20日)(使用量:500ml/10a)
*この使用量は石川県の慣行に比べて、約9割少ない量です。
肥料不使用
コシヒカリ
2025年5月21日
石橋農園さんからのメッセージ
自分が食べたいと思うものをつくる
2015年度から、生きもの元気米の栽培契約を交わしました。田んぼのほかに、河北潟干拓地で農薬を使わない果実や野菜も栽培しています。これらの野菜や果実を食べて育ったニワトリも園内で飼っています。
農薬は好きではありません。自分が食べたいと思うものを目指した結果、農薬を使わないことを基本に栽培する農作物が増えていきました。毎年、栽培方法を試しながら日々農業に向き合い、試行錯誤を重ねて、いい農作物を作りたいと考えていをます。
生きもの元気米の取り組みは2014年に話を聞いたときから、農薬をつかわない取り組みとして興味があり、私の作っている米も皆様に食べてもらいたいと思い参加しました。