河北潟湖沼研究所が農家と取り組む河北潟の水辺・田んぼの生物多様性を保全するお米
農事組合法人蓮だよりさんは、今年2018年から生きもの元気米に参加しました。土、人、環境にやさしい栽培方法で、健全で幸せなものづくりをしていきたいとの想いを抱いて農業に励んでいらっしゃます。 |
生産者:農事組合法人蓮だより
生きもの元気米生産地:金沢市才田町
石川県金沢市才田町東58(約4,687平方メートル)
5月22日、田んぼの様子。 | 6月29日の田んぼの様子。 | |
7月17日、田んぼの様子。 | 8月17日、田んぼの様子。 | |
今年から生きもの元気米に参加したこの田んぼでは、ヒメタニシやドブシジミといった貝類がみられ、コカゲロウのなかまやイシビルのなかまがいました。植物は春はオランダミミナグサが目立ちましたが、コゴメガヤツリやチョウジタデ、タカサブロウ、コナギなど30種類が確認されました。畦を歩くとニホンアマガエルが飛び出し、広い田んぼの上では、近くにすんでいるチョウゲンボウが時々飛翔していました。 |
科名 | 種名 | 2018 |
昆虫類 | ||
カゲロウ目 | コカゲロウのなかま | 〇 |
ハエ目 | キリウジガガンボ(幼虫) | 〇 |
ユスリカのなかま(幼虫) | 〇 | |
二枚貝類 | ||
ドブシジミ科 | ドブシジミ | 〇 |
巻貝類 | ||
タニシ科 | ヒメタニシ | 〇 |
ヒル類 | ||
イシビルのなかま | 〇 |
ショウリョウバッタ |
科名 | 種名 | 2018 |
トクサ | スギナ | 〇 |
オモダカ | オモダカ | 〇 |
ツユクサ | イボクサ | 〇 |
ミズアオイ | コナギ | 〇 |
イグサ | イグサ | 〇 |
カヤツリグサ | コゴメガヤツリ | 〇 |
イヌホタルイ | 〇 | |
イネ | スズメノテッポウ | 〇 |
メヒシバ | 〇 | |
オオスズメノカタビラ | 〇 | |
アカバナ | チョウジタデ | 〇 |
マメ | クサネム | 〇 |
コメツブツメクサ | 〇 | |
シロツメクサ | 〇 | |
オトギリソウ | コケオトギリ | 〇 |
アブラナ | タネツケバナ | 〇 |
スカシタゴボウ | 〇 | |
ナデシコ | オランダミミナグサ | 〇 |
アカネ | フタバムグラ | 〇 |
オオバコ | タチイヌノフグリ | 〇 |
サギゴケ | トキワハゼ | 〇 |
キク | アメリカセンダングサ | 〇 |
タカサブロウ | 〇 | |
オオアレチノギク | 〇 | |
アキノノゲシ | 〇 | |
ハハコグサ | 〇 | |
ノボロギク | 〇 | |
セイタカアワダチソウ | 〇 | |
オニノゲシ | 〇 | |
セイヨウタンポポ | 〇 | |
30 |
オモダカ |
・田んぼの中で使用された農薬
除草剤 ガンガン粒剤(使用時期:2018年4月28日)(使用量:1kg/10a)
・苗に使用された農薬 なし
*この使用量は石川県の慣行に比べて、9割以上少ない量です。
◎ネオニコチノイド系農薬不使用(苗にも使っていません)
◎ラジコンヘリによる殺虫剤の空中散布なし
◎畦の除草剤不使用
◎BB新コシ一発くん特号(使用時期:2018年4月28日)(使用量:40kg/10a)
コシヒカリ
2018年4月28日
1)昆虫スイーピング調査
2)底生生物調査
3)植物調査
*調査員 川原奈苗
*生きもの調査の結果はこの下に田んぼの生きものリストとして表示しています。
蓮だよりの川端さんからのメッセージ
私共はこれまで、兼業農家として2haほどの面積で水稲栽培を行ってきました。 H19年より河北潟干拓地にて加賀れんこんの栽培を始めたことをきっかけに、自然との共存共栄を考えるようになり、農薬フリーの農業に取り組むようになりました。
取り組みを始めた農地では様々な生態系が見られるようになり、昔、地域の農地で見た風景を継続させていきたいという思いが、より一層強まっていきました。
今回、環境に配慮した生きもの元気米の栽培に携われるということで、私どもの活動を通して、環境保全に少しでもお役に立てるよう汗を流して頑張らせて頂ければと思います。