河北潟湖沼研究所が農家と取り組む河北潟の水辺・田んぼの生物多様性を保全するお米
農事組合法人蓮だよりさんは、2018年から生きもの元気米に参加しました。土、人、環境にやさしい栽培方法で、健全で幸せなものづくりをしていきたいとの想いを抱いて農業に励んでいらっしゃます。 |
生産者:農事組合法人蓮だより
生きもの元気米生産地:金沢市才田町
石川県金沢市才田町東58(約4,687平方メートル)
5月9日の田んぼの様子です。 |
|
|
日本で一番長い種類のミミズ「ハッタミミズ」がたくさん生息している田んぼです。今年も稲の根本に糞塊がみられました。8月は猛暑日が続いたうえ、雨がほとんど降りませんでしたので、ハッタミミズには厳しかったかもしれません。
生きもの元気米6年目をむかえました。今年も稲の根元にハッタミミズの糞塊が多数みられました。5月下旬の調査では、田んぼの水の中にコガムシの成虫や、ヒメゲンゴロウの幼虫、アキアカネの幼虫、カイエビなどが確認されました。小さな二枚貝のドブシジミがよく見つかるのもこの田んぼらしさです。カクモンハラブトハナアブやニホンカブラハバチなどもみられました。 |
〈田んぼの中の除草剤や殺虫剤の使用削減により増える主な生きもの〉 |
ヒメゲンゴロウ幼虫 |
コガムシ、ゴマフガムシ |
アキアカネ幼虫 |
〈畦除草剤を使用しないことで増える主な生きもの〉 |
コケオトギリ、イグサ |
イナゴ類 |
〈田んぼが湛水されることで増える主な生きもの〉 |
トノサマガエル成体 |
"ニホンアマガエル幼生、成体 |
シュレーゲルアオガエル幼生" |
〈そのほか田んぼの生物多様性の点から重要な主な生きもの〉 |
ドブシジミ |
ハッタミミズ |
イトミミズ類 |
ユスリカ類(幼虫) |
カイエビ |
コモリグモ類2種、ハエトリグモ、カニグモ類、その他クモ1種 |
そのほかの動物 |
ノナメクジ |
カイミジンコ類 |
ヒメタニシ |
ゾウムシ類 |
ハナアブ類 |
バッタ |
キリウジガガンボ |
ツトガ類 |
モンシロチョウ |
ヒメカメノコテントウ |
キリギリス類幼虫 |
ガ類 |
ニホンカブラハバチ |
ナミハナアブ |
カクモンハラブトハナアブ |
セイヨウミツバチ |
科名 | 種名 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
シャジクモ | 〇 | ||||||
トクサ | スギナ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
オモダカ | オモダカ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
ツユクサ | ツユクサ | 〇 | 〇 | ||||
イボクサ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
ミズアオイ | コナギ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
イグサ | イグサ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
クサイ | 〇 | ||||||
カヤツリグサ | アゼガヤツリ | 〇 | |||||
コゴメガヤツリ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
ヒンジガヤツリ | 〇 | ||||||
テンツキ | 〇 | ||||||
ヒデリコ | 〇 | 〇 | |||||
イヌホタルイ | 〇 | 〇 | |||||
イネ | ヌカススキ | 〇 | |||||
スズメノテッポウ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
メリケンカルカヤ | 〇 | 〇 | |||||
コバンソウ | 〇 | ||||||
ヒメコバンソウ | 〇 | ||||||
メヒシバ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
アゼガヤ | 〇 | 〇 | |||||
ケイヌビエ | 〇 | 〇 | |||||
オヒシバ | 〇 | 〇 | |||||
ミズタカモジグサ | 〇 | ||||||
チガヤ | 〇 | ||||||
スズメノカタビラ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
オオスズメノカタビラ | 〇 | 〇 | |||||
ヒエガエリ | 〇 | ||||||
アキノエノコログサ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
アカバナ | チョウジタデ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
マメ | クサネム | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
コメツブツメクサ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
シロツメクサ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
ヤハズエンドウ | 〇 | 〇 | |||||
バラ | ヘビイチゴ | 〇 | |||||
カタバミ | カタバミ | 〇 | |||||
オッタチカタバミ | 〇 | ||||||
トウダイグサ | エノキグサ | 〇 | 〇 | 〇 | |||
コニシキソウ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
アカメガシワ | 〇 | ||||||
オトギリソウ | コケオトギリ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
アブラナ | タネツケバナ | 〇 | 〇 | 〇 | |||
スカシタゴボウ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
タデ | ヤナギタデ | 〇 | 〇 | ||||
ボントクタデ | 〇 | ||||||
ナデシコ | オランダミミナグサ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
マンテマ | 〇 | ||||||
コハコベ | 〇 | ||||||
ザクロソウ | ザクロソウ | 〇 | |||||
スベリヒユ | スベリヒユ | 〇 | 〇 | 〇 | |||
サクラソウ | コナスビ | 〇 | |||||
アカネ | フタバムグラ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
オオバコ | オオバコ | 〇 | 〇 | 〇 | |||
オオカワヂシャ | 〇 | ||||||
タチイヌノフグリ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
アゼナ | アメリカアゼナ | 〇 | |||||
シソ | トウバナ | 〇 | |||||
ヒメオドリコソウ | 〇 | ||||||
サギゴケ | トキワハゼ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
キク | ヨモギ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
ノコンギク | 〇 | ||||||
アメリカセンダングサ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
トキンソウ | 〇 | ||||||
アメリカタカサブロウ | 〇 | ||||||
タカサブロウ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
ヒメジョオン | 〇 | ||||||
ヒメムカシヨモギ | 〇 | 〇 | |||||
ハルジオン | 〇 | 〇 | |||||
オオアレチノギク | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
ブタナ | 〇 | ||||||
ニガナ | 〇 | ||||||
アキノノゲシ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
ヤブタビラコ | 〇 | ||||||
ハハコグサ | 〇 | 〇 | |||||
ノボロギク | 〇 | ||||||
セイタカアワダチソウ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
オニノゲシ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
セイヨウタンポポ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
オニタビラコ | 〇 | 〇 | |||||
ウコギ科 | オオチドメ | 〇 | |||||
30 | 26 | 32 | 48 | 25 | 37 |
・田んぼの中で使用された農薬
除草剤/アッパレZ(使用時期:2023年4月27日)(使用量:1kg/10a)
・種子に使用された農薬
殺菌剤/テクリードCフロアブル(使用時期:2023年4月3日)
◎ネオニコチノイド系農薬不使用(苗にも使っていません)
◎ラジコンヘリによる殺虫剤の空中散布なし
◎畦の除草剤不使用
*この使用量は石川県の慣行に比べて、約8割少ない量です。
BB有機入りコシ一発くん(使用時期:2023年4月27日)(使用量:44kg/10a)
スーパーケイ酸(使用時期:2023年6月20日)(使用量:13kg/10a)
コシヒカリ
2023年4月27日
1)昆虫スイーピング調査
2)底生生物調査
3)植物調査
*調査員 川原奈苗(NPO法人河北潟湖沼研究所)
蓮だよりの川端さんからのメッセージ
私共はこれまで、兼業農家として2haほどの面積で水稲栽培を行ってきました。 H19年より河北潟干拓地にて加賀れんこんの栽培を始めたことをきっかけに、自然との共存共栄を考えるようになり、農薬フリーの農業に取り組むようになりました。
取り組みを始めた農地では様々な生態系が見られるようになり、昔、地域の農地で見た風景を継続させていきたいという思いが、より一層強まっていきました。
今回、環境に配慮した生きもの元気米の栽培に携われるということで、私どもの活動を通して、環境保全に少しでもお役に立てるよう汗を流して頑張らせて頂ければと思います。