河北潟湖沼研究所が農家と取り組む河北潟の水辺・田んぼの生物多様性を保全するお米
農事組合法人蓮だよりさんは、2018年から生きもの元気米に参加しました。土、人、環境にやさしい栽培方法で、健全で幸せなものづくりをしていきたいとの想いを抱いて農業に励んでいらっしゃます。 |
生産者:農事組合法人蓮だより
生きもの元気米生産地:金沢市才田町
石川県金沢市才田町東58(約4,687平方メートル)
6月1日の田んぼ
7月5日の田んぼ
「生きもの元気米」では昨年より、生きものや環境に配慮した栽培方法により、生産農家からの買取価格をプラスする取り組みをおこなっています。生産農家の蓮だよりさんは、昨年より6月いっぱいは田んぼの水を落とさないよう、夏季湛水に取り組んでくださいました。調査をしているとトノサマガエルとよく出会うようになりましたので、田んぼの水が枯れないことで、多くのトノサマガエルがおたまじゃくしからカエルに変態できたものと思われます。この田んぼはハッタミミズの糞塊が目立ちますが、今年は取り組みの紹介を兼ねて、トノサマガエルをこの田んぼのスターにえらびました。
生きもの元気米7年目をむかえました。今年も稲の根元にハッタミミズの糞塊が多数みられました。5月下旬の調査では、田んぼの水の中にコガムシの成虫や、ヒメゲンゴロウの幼虫、アキアカネの幼虫、カイエビなどが確認されました。小さな二枚貝のドブシジミがよく見つかるのもこの田んぼらしさです。カクモンハラブトハナアブやニホンカブラハバチなどもみられました。 |
<陸の生きもの>
分類 | 種名 |
鳥類 | |
シギ科 | チュウシャクシギ |
ツバメ科 | ツバメ |
ムクドリ科 | ムクドリ |
両生類 | |
アマガエル科 | ニホンアマガエル |
アカガエル科 | トノサマガエル |
昆虫類 | |
トンボ目 | シオカラトンボ |
アキアカネ | |
アオモンイトトンボ | |
アジアイトトンボ | |
イトトンボのなかま(幼虫) | |
バッタ目 | ハネナガイナゴ |
クルマバッタモドキ | |
マダラバッタ | |
トノサマバッタ | |
ハネナガヒシバッタ | |
ショウリョウバッタ | |
ウスイロササキリ | |
カメムシ目 | ヒメトビウンカ |
ツマグロヨコバイ | |
マダラヨコバイ | |
ヒメオオメナガカメムシ | |
コウチュウ目 | クロヘリヒメテントウ |
ヒメカメノコテントウ | |
ヒメハナムシ科 | |
セアカヒラタゴミムシ | |
ハエ目 | アシナガバエのなかま |
ハエのなかま(小型種) | |
ハチ目 | クロハラカマバチ |
セイヨウミツバチ | |
トビイロシワアリ | |
チョウ目 | モンシロチョウ |
クモガタ類 | |
クモ目 | アシナガグモのなかま |
ハナグモ | |
カニグモのなかま | |
ハエトリグモのなかま |
<水の中の生きもの>
分類 | 種名 |
両生類 | |
アマガエル科 | ニホンアマガエル(幼生) |
アカガエル科 | トノサマガエル(幼生) |
昆虫類 | |
トンボ目 | アカネ類(幼虫) |
カゲロウ目 | コカゲロウのなかま(幼虫) |
ヒメアメンボ | |
オオコオイムシ | |
コミズムシのなかま | |
コガシラミズムシのなかま | |
コウチュウ目 | ゴマフガムシのなかま(成虫) |
ハエ目 | キリウジガガンボ(幼虫) |
ユスリカのなかま(幼虫) | |
クモガタ類 | |
ダニ目 | ミズダニ |
二枚貝類 | |
ドブシジミ科 | ドブシジミ |
巻貝類 | |
タニシ科 | ヒメタニシ |
ミミズ類 | |
イトミミズ科 | エラミミズ |
ユリミミズ | |
ヒル類 | |
イシビル科 | セスジビル |
甲殻類 | |
カイエビ科 | カイエビ |
2024分は作成中です
科名 | 種名 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
シャジクモ | 〇 | ||||||
トクサ | スギナ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
オモダカ | オモダカ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
ツユクサ | ツユクサ | 〇 | 〇 | ||||
イボクサ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
ミズアオイ | コナギ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
イグサ | イグサ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
クサイ | 〇 | ||||||
カヤツリグサ | アゼガヤツリ | 〇 | |||||
コゴメガヤツリ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
ヒンジガヤツリ | 〇 | ||||||
テンツキ | 〇 | ||||||
ヒデリコ | 〇 | 〇 | |||||
イヌホタルイ | 〇 | 〇 | |||||
イネ | ヌカススキ | 〇 | |||||
スズメノテッポウ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
メリケンカルカヤ | 〇 | 〇 | |||||
コバンソウ | 〇 | ||||||
ヒメコバンソウ | 〇 | ||||||
メヒシバ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
アゼガヤ | 〇 | 〇 | |||||
ケイヌビエ | 〇 | 〇 | |||||
オヒシバ | 〇 | 〇 | |||||
ミズタカモジグサ | 〇 | ||||||
チガヤ | 〇 | ||||||
スズメノカタビラ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
オオスズメノカタビラ | 〇 | 〇 | |||||
ヒエガエリ | 〇 | ||||||
アキノエノコログサ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
アカバナ | チョウジタデ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
マメ | クサネム | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
コメツブツメクサ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
シロツメクサ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
ヤハズエンドウ | 〇 | 〇 | |||||
バラ | ヘビイチゴ | 〇 | |||||
カタバミ | カタバミ | 〇 | |||||
オッタチカタバミ | 〇 | ||||||
トウダイグサ | エノキグサ | 〇 | 〇 | 〇 | |||
コニシキソウ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
アカメガシワ | 〇 | ||||||
オトギリソウ | コケオトギリ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
アブラナ | タネツケバナ | 〇 | 〇 | 〇 | |||
スカシタゴボウ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
タデ | ヤナギタデ | 〇 | 〇 | ||||
ボントクタデ | 〇 | ||||||
ナデシコ | オランダミミナグサ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
マンテマ | 〇 | ||||||
コハコベ | 〇 | ||||||
ザクロソウ | ザクロソウ | 〇 | |||||
スベリヒユ | スベリヒユ | 〇 | 〇 | 〇 | |||
サクラソウ | コナスビ | 〇 | |||||
アカネ | フタバムグラ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
オオバコ | オオバコ | 〇 | 〇 | 〇 | |||
オオカワヂシャ | 〇 | ||||||
タチイヌノフグリ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
アゼナ | アメリカアゼナ | 〇 | |||||
シソ | トウバナ | 〇 | |||||
ヒメオドリコソウ | 〇 | ||||||
サギゴケ | トキワハゼ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
キク | ヨモギ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
ノコンギク | 〇 | ||||||
アメリカセンダングサ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
トキンソウ | 〇 | ||||||
アメリカタカサブロウ | 〇 | ||||||
タカサブロウ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
ヒメジョオン | 〇 | ||||||
ヒメムカシヨモギ | 〇 | 〇 | |||||
ハルジオン | 〇 | 〇 | |||||
オオアレチノギク | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
ブタナ | 〇 | ||||||
ニガナ | 〇 | ||||||
アキノノゲシ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
ヤブタビラコ | 〇 | ||||||
ハハコグサ | 〇 | 〇 | |||||
ノボロギク | 〇 | ||||||
セイタカアワダチソウ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
オニノゲシ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
セイヨウタンポポ | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
オニタビラコ | 〇 | 〇 | |||||
ウコギ科 | オオチドメ | 〇 | |||||
30 | 26 | 32 | 48 | 25 | 37 |
◎ネオニコチノイド系農薬不使用(苗にも使っていません)
◎ラジコンヘリによる殺虫剤の空中散布なし
◎畦の除草剤不使用
・田んぼの中で使用された農薬
除草剤/ディオーレ粒剤(使用時期:2024年4月26日)(使用量:1kg/10a)
・種子に使用された農薬
殺菌剤/テクリードCフロアブル(使用時期:2024年3月28日)
*この使用量は石川県の慣行に比べて、約8割少ない量です。
BB有機入りコシ一発くん(使用時期:2024年4月26日)(使用量:44kg/10a)
コシヒカリ
2024年4月26日
1)昆虫スイーピング調査
2)底生生物調査
3)植物調査
*調査員 川原奈苗(NPO法人河北潟湖沼研究所)
蓮だよりの川端さんからのメッセージ
私共はこれまで、兼業農家として2haほどの面積で水稲栽培を行ってきました。 H19年より河北潟干拓地にて加賀れんこんの栽培を始めたことをきっかけに、自然との共存共栄を考えるようになり、農薬フリーの農業に取り組むようになりました。
取り組みを始めた農地では様々な生態系が見られるようになり、昔、地域の農地で見た風景を継続させていきたいという思いが、より一層強まっていきました。
今回、環境に配慮した生きもの元気米の栽培に携われるということで、私どもの活動を通して、環境保全に少しでもお役に立てるよう汗を流して頑張らせて頂ければと思います。