河北潟湖沼研究所が農家と取り組む河北潟の水辺・田んぼの生物多様性を保全するお米

生きもの元気米

中村 明さんの2024年産(田んぼ:NHa89) 生きもの元気米情報

このページでは、中村明さんの2024年産生きもの元気米について、以下の情報をご覧いただけます。

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農家紹介 中村 明さん

金沢市八田町は環境省のレッドリストで絶滅危惧種にも指定されているハッタミミズが最初に見つかったところです。中村さんはこの八田町でお米作りを続けています。干拓前の河北潟のようすをよく知る中村さんは、かつてのように生きものがたくさんいる環境に少しでも戻ってほしいとの思いから、生きもの元気米に参加しています。

   
中村さん

生産者:中村 明さん

生きもの元気米生産地:金沢市八田町

中村さんからのメッセージ

かつての河北潟地域

今から50年ほど前、河北潟に通ずる河川には入江があり、田んぼ脇の水路から舟を使って米を運搬していました。そのころは家に舟がありましたので、舟で潟を移動し、ハッタミミズを使って、ウナギやフナなどを釣っていました。

八田町のハッタミミズ

ご存じの方は少ないかもしれませんが、八田町にはハッタミミズという今では珍しいミミズが生息しています。大きいもので約80cmほどの巨大なミミズで、八田町はこのハッタミミズが初めて発見された場所です。昔は町内の田んぼのどこを掘っても見つかりました。今でもハッタミミズは八田町に生息していますが、昔を思うと最近は本当に少なくなりました。

生きものがたくさんいる環境を広げたい

これまでも自然への環境負荷のことを考えて、農薬の使用量を極力抑えたり、畦の草は除草剤を使用せず定期的に草刈を行うよう努めた米栽培を行ってきました。 「生きもの元気米」はその名のとおり、生きものがかつてのように本来あるべき環境を広げていこうとする取り組みです。多くの人が賛同し、地域全体にハッタミミズやカエル等が増え、かつての環境に少しでも戻って欲しいとの願いから参加しています 。

田んぼ(NHa89)の場所

生きもの元気米を作る田んぼの住所

石川県金沢市八田町中89 (約1,734平方メートル)

中村さんの生きもの元気米田んぼ(NHa89)の様子(2024年)

7月5日の田んぼの様子
7月5日の田んぼの様子

 

今年の田んぼスター: シオカラトンボ

 シオカラトンボが田んぼの上をいつも2~3匹は飛んでおり、田んぼの水の中には幼虫がみられます。クモ類も多く、アシナガグモのなかまや、ハエトリグモのなかまなどが目立ちました。夏にはキリギリスのウスイロササキリや蝶のヤマトシジミがみられました。

調査員からひとこと ~ 中村さんの田んぼ(NHa89)はこんなところ!

 生きもの元気米11年目をむかえました。2020年の春先に盛土されたことで少し環境が変わりましたが、ほかの田んぼに比べると造網性のクモ類が目立ちます。クモは害虫を食べてくれる有難い存在です。いつも小まめに草刈りされていることから、カタバミやコケオトギリなど背丈の低い草が目立つこと、ほかの田んぼに比べると造網性のクモ類が多くみられること、いつもシオカラトンボが飛んで、カワラヒワやセキレイ類やスズメがよく飛来している田んぼです。

 

中村さんの田んぼ(NHa89)の動物のリスト

動物リスト
〈陸の生きもの〉
分類 種名
鳥類
サギ科 アオサギ
両生類
アマガエル科 ニホンアマガエル(成体)
アカガエル科 トノサマガエル(成体)
昆虫類
トンボ目 アジアイトトンボ
クモ目 ハナグモ
オスクロハエトリ
アシナガグモ科
ハエトリグモ科
コガネグモ科
カニグモ科
バッタ目 ハネナガイナゴ
ウスイロササキリ
カメムシ目 ウンカ類
ヒメトビウンカ
セジロウンカ
ツマグロヨコバイ
マダラヨコバイ
アブラムシ類
アワダチソウグンバイ
コウチュウ目 ゾウムシのなかま
クロヘリヒメテントウ
ハエ目 ハネボシスナニクバエ
ハエのなかま(小型種)
ユスリカのなかま(小型種)
ハチ目 コマユバチ科
ヒメコバチ科
アリガタバチ科
タマゴクロバチ科
オナガコバチ科
チョウ目 ヤマトシジミ
アザミウマ目 アザミウマのなかま
クモガタ類
クモ目 ハナグモ
オスクロハエトリ
アシナガグモ科
ハエトリグモ科
コガネグモ科
カニグモ科

中村さんの田んぼ(NHa89)の植物のリスト

植物リスト

2024年分は作成中です。

科名 種名 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023
シャジクモ
トクサ スギナ
ドクダミ ドクダミ
オモダカ オモダカ
ツユクサ ツユクサ
イボクサ
カヤツリグサ コゴメガヤツリ
ヒデリコ
イネ スズメノテッポウ
イヌムギ
メヒシバ
ケイヌビエ
イヌビエ
チガヤ
スズメノカタビラ
オオスズメノカタビラ
キンポウゲ タガラシ
アカバナ チョウジタデ
マメ科 クサネム
コメツブツメクサ
シロツメクサ
ヤハズエンドウ
バラ オヘビイチゴ
カタバミ カタバミ
オッタチカタバミ
ハナカタバミ
トウダイグサ エノキグサ
コニシキソウ
オオニシキソウ
オトギリソウ コケオトギリ
アブラナ タネツケバナ
イヌガラシ
スカシタゴボウ
タデ ヤナギタデ
ボントクタデ
ミゾソバ
ギシギシ
ナデシコ オランダミミナグサ
ノミノフスマ
スベリヒユ スベリヒユ
アカネ フタバムグラ
ヘクソカズラ
ナス イヌホオズキ
オオバコ オオバコ
タチイヌノフグリ
オオイヌノフグリ
アゼナ アメリカアゼナ
アゼナ
ウリクサ
シソ トウバナ
シロネ
サギゴケ ムラサキサギゴケ
トキワハゼ
キク ヨモギ
アメリカセンダングサ
トキンソウ
アメリカタカサブロウ
タカサブロウ
ヒメジョオン
ハルジオン
オオアレチノギク
タチチチコグサ
ブタナ
オオジシバリ
コオニタビラコ
ニガナ
フキ
ハハコグサ
セイタカアワダチソウ
オニノゲシ
ノゲシ
セイヨウタンポポ
ウコギ オオチドメ
チドメグサ
ウキゴケ イチョウウキゴケ
36 36 36 28 31 25 30 20 29 19
チチコグサ  
チチコグサ  
 
 

中村さんの生きもの元気米(田んぼ:NHa89) 農薬・肥料の情報(2024年産)

農薬の使用状況

◎ネオニコチノイド系農薬不使用(苗にも使っていません)
◎ラジコンヘリによる殺虫剤の空中散布なし
◎畦の除草剤不使用

・田んぼの中で使用された農薬
除草剤 エンペラー1kg粒剤(使用時期:2024年5月17日)(使用量:1kg/10a)

*この使用量は石川県の慣行に比べて、約9割少ない量です。

 

肥料の使用状況

コシ一発くんNEOβ(使用時期:2024年5月17日)(使用量:30kg/10a)

中村さんの生きもの元気米(NHa89)の品種(2024年産)、その他の情報

品種

コシヒカリ

田植え日

2024年5月17日

生きもの調査について

調査実施項目

1)昆虫スイーピング調査

2)底生生物調査

3)植物調査

*調査員 川原奈苗(NPO法人河北潟湖沼研究所)

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