河北潟湖沼研究所が農家と取り組む河北潟の水辺・田んぼの生物多様性を保全するお米

生きもの元気米

中村 明さんの2018年産(塩辛とんぼの田んぼ:NHa89) 生きもの元気米情報

このページでは、中村明さんの2018年産生きもの元気米について、以下の情報をご覧いただけます。

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農家紹介 中村 明さん

金沢市八田町は環境省のレッドリストで絶滅危惧種にも指定されているハッタミミズが最初に見つかったところです。中村さんはこの八田町でお米作りを続けています。干拓前の河北潟のようすをよく知る中村さんは、かつてのように生きものがたくさんいる環境に少しでも戻ってほしいとの思いから、生きもの元気米に参加しています。

   
中村さん

生産者:中村 明さん

生きもの元気米生産地:金沢市八田町

中村さんからのメッセージ

かつての河北潟地域

今から約40年ほど前、河北潟に通ずる河川には入江があり、田んぼ脇の水路から舟を使って米を運搬していました。そのころは家に舟がありましたので、舟で潟を移動し、ハッタミミズを使って、ウナギやフナなどを釣っていました。

八田町のハッタミミズ

ご存じの方は少ないかもしれませんが、八田町にはハッタミミズという今では珍しいミミズが生息しています。大きいもので約80cmほどの巨大なミミズで、八田町はこのハッタミミズが初めて発見された場所です。昔は町内の田んぼのどこを掘っても見つかりました。今でもハッタミミズは八田町に生息していますが、昔を思うと最近は本当に少なくなりました。

生きものがたくさんいる環境を広げたい

これまでも自然への環境負荷のことを考えて、農薬の使用量を極力抑えたり、畦の草は除草剤を使用せず定期的に草刈を行うよう努めた米栽培を行ってきました。 「生きもの元気米」はその名のとおり、生きものがかつてのように本来あるべき環境を広げていこうとする取り組みです。多くの人が賛同し、地域全体にハッタミミズやカエル等が増え、かつての環境に少しでも戻って欲しいとの願いから参加しています 。

田んぼ(NHa89)の場所

生きもの元気米を作る田んぼの住所

石川県金沢市八田町中89 (約1,734平方メートル)

中村さんの生きもの元気米田んぼ(NHa89)の様子(2018年)

5月17日田んぼの様子
5月22日、田んぼの様子。 5月22日、田んぼの様子。
 
7月17日、稲がすくすく成長しています。  

調査員からひとこと ~ 中村さんの田んぼ(NHa89)はこんなところ!

この田んぼは、生きもの元気米5年目をむかえました。畦の草刈がいつも丁寧にされていることから、背丈の低い植物の種類が多くみられ、可愛らしい花を咲かせます。クモ類が多いのもこの田んぼの特徴で、穂が出る前の7月には田んぼ全面的にコガネグモのなかまによるクモの巣が無数に張られ、害虫を食べる益虫がとても多い様子がわかります。秋にはイナゴをつかまえたクモが観察されました。

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中村さんの田んぼ(NHa89)の動物のリスト(2018年)

陸の生きもの(動物)

 

水の中の生きもの(動物)
科名 種名 2014 2015 2016 2017 2018
両生類
アマガエル科 ニホンアマガエル(幼生)
昆虫類
トンボ目 シオカラトンボ(幼虫)
カメムシ目 ハネナシアメンボ
アメンボのなかま
コミズムシのなかま
コウチュウ目 ゲンゴロウのなかま(幼虫)
ゴマフガムシ
キイロゴマフガムシ
ハエ目 ガガンボのなかま(幼虫)
ユスリカのなかま(幼虫)
二枚貝類
ドブシジミ科 ドブシジミ
シジミ科 マシジミ
巻貝類
タニシ科 ヒメタニシ
モノアラガイ科 ヒメモノアラガイ
ハブタエモノアラガイ
モノアラガイ類の幼貝
ヒラマキガイ科 ヒラマキガイモドキ
ミミズ類
イトミミズ科 イトミミズのなかま
甲殻類
カイエビ科 カイエビ
カイミジンコのなかま
0 0 17 1 7

同じ田んぼの2014年のリストはこちら、2015年はこちらです。

5月17日田んぼの様子 6月18日田んぼの様子
ウチワヤンマ イナゴのなかま

中村さんの田んぼ(NHa89)の植物 (2018年)

植物リスト
確認種(年別)
科名 種名 2014 2015 2016 2017 2018
トクサ スギナ
ドクダミ ドクダミ
オモダカ オモダカ
ツユクサ ツユクサ
イボクサ
カヤツリグサ コゴメガヤツリ
イネ スズメノテッポウ
メヒシバ
イヌビエ
チガヤ
スズメノカタビラ
オオスズメノカタビラ
アカバナ チョウジタデ
マメ コメツブツメクサ
ヤハズエンドウ
バラ オヘビイチゴ
カタバミ カタバミ
トウダイグサ エノキグサ
コニシキソウ
オトギリソウ コケオトギリ
アブラナ タネツケバナ
イヌガラシ
スカシタゴボウ
タデ ヤナギタデ
ミゾソバ
ナデシコ オランダミミナグサ
ノミノフスマ
スベリヒユ スベリヒユ
アカネ フタバムグラ
ヘクソカズラ
オオバコ オオバコ
タチイヌノフグリ
オオイヌノフグリ
アゼナ アメリカアゼナ
シソ トウバナ
シロネ
サギゴケ トキワハゼ
キク ヨモギ
アメリカセンダングサ
トキンソウ
ハルジオン
オオアレチノギク
タチチチコグサ
ブタナ
ニガナ
フキ
ハハコグサ
セイタカアワダチソウ
オニノゲシ
ノゲシ
セイヨウタンポポ
ウコギ オオチドメ
ウキゴケ イチョウウキゴケ
36 36 36 28 31

 

5月17日田んぼの様子 6月18日田んぼの様子
   

中村さんの生きもの元気米(田んぼ:NHa89) 農薬・肥料の情報(2018年産)

農薬の使用状況

・田んぼの中で使用された農薬
   除草剤 バッチリ1キロ粒剤(使用時期:2018年4月28日)(使用量:1kg/10a)

 *この使用量は石川県の慣行に比べて、7割以上少ない量です。

◎ネオニコチノイド系農薬不使用(苗にも使っていません)

◎ラジコンヘリによる殺虫剤の空中散布なし

◎畦の除草剤不使用

肥料の使用状況

BB新コシ一発特号(使用時期:2018年4月28日)(使用量:35kg/10a)

中村さんの生きもの元気米(HNa89)の品種(2018年産)、その他の情報

品種

コシヒカリ

生きもの調査について(2018年)

田んぼの生きもの調査は、当研究所の研究員が行っています。

1)昆虫スイーピング調査

2)底生生物調査

3)植物調査

*調査員 川原奈苗

*生きもの調査の結果はこの下に田んぼの生きものリストとして表示しています。

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